Frieden

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3/13/2025, 11:16:39 AM

「透明」

透明は、うつくしい。
波も、プリズムも、雨粒も。
あなたの瞳も、全てがうつくしい。

透明は、世界を彩る。
水の反映、ひかり、虹。
透明に呼応した世界は、やがて自分の色を持つ。

色を持つあなたはうつくしい。
黒い髪。青い瞳。陶器のような肌。
透明によって照らされた世界も、やがて自身を彩る。

色を持たない私は、透明のまま。
光と影が、からだを渦巻く。
色が遠ざかっていく。

それでも私は構わない。
私が私の世界を彩ればいいのだから。

うつくしい透明で、うつくしい世界を描く。
色がなくても、大丈夫。

透明な世界の中で、透明に生きる。
なんと素敵なことでしょう。

3/13/2025, 10:56:28 AM

「終わり、また始まる。」

夢を見ていた。長い長い、夢を見ていた。

体は水底に沈み、あたりも暗くなっていく。
光は遠ざかって、闇が体を包む。
なんだか心地よい。

私はどこまでも、どこまでも沈んでいく。
どこまでいくのだろうか。
真っ暗闇まで、行けるのだろうか。

黒い静けさに身を委ねていたら、突然光に引き戻された。

今度は、自分の足で立って、行き先も自分で決めろと、そう言われた気がした。

闇の時間は終わり、そして、光に満ちた夢が始まる。

今度はどこまで行けるかな。

3/12/2025, 2:02:52 PM

「星」

わたし なれたよ あなたのための星に
もう そばにはいられないけれど 見上げたら そこにいるの
わたしが 星が

ねむれないとき 孤独なとき じぶんのきもちに ふたをせず
みあげてほしい こっちをみてほしい
わたしを みてほしい

廻るわたしは いつかチカラをもって
あなたにキセキを あなたにアイを 永遠に

どうかあなたも 私のための 星でいてね

3/11/2025, 5:04:14 PM

「願いが1つ叶うならば」

「ニンゲンしゃん!」「?」「ボク、よーしぇーしゃんになりましゅ!」「いきなり何があった」「あのねー、えほんにねー、おねがいかなえてくれるよーしぇーしゃんがいてねー!」

嬉しそうに話してる。自分は横でうんうん頷く。

「だからねー!ボク、ニンゲンしゃんのおねがいかなえるの!」
「ありがとう。」「おねがいかなえてからありがとっていって!」

「はいはい。じゃあ、妖精さんはどんなお願いを叶えてくれるのかな?」「えとねー。」

「どんなおねがいあるのー?」
「何もせずダラダラしたい。」
「えー?!だらだらがおねがい?」「うん。」

「わかった!いっちょにだらだらちよっか!」

「だらだら〜」「……。」
「これ、たのちい?」「楽しいとかっていうよりも、気持ちいい、かな。」「へー。」

「何もしない」っていうのは、意外と開放感があっていい。
ダラダラすることで疲れるわけじゃないし、何が減るわけでもないから、たまにはこういうのもいいな。

「妖精さん。」「はーい!」「妖精さんは、もし願いがひとつ叶うとしたら、どんなことを願うの?」「んー……。」
カーペットに寝転びながら考え中らしい。

「おちごと。」「?」「⬛︎⬛︎ちゃんと、おとーしゃんといっちょにおちごとちたかった。」「……仕事したかったんだ。」「ん。」

「だってねー、ボク、おちごとのために、うまれてきたんだよー?」「あちょねー、⬛︎⬛︎ちゃんもおとーしゃんも、おちごとたのちちょーなの!」「だから、おちごとちたい!」

「……大丈夫、いつかきっと叶うよ。」「ほんと?!」「自分はそう思う。」「んー!」嬉しそうに顔を埋めてきた。かわいい。

「ボク、みんなのためにいぱーいがんばるからね!」

純粋無垢な子どもの、とても優しい願い。
この願いが叶うのを、自分も見守れたらいいな。

そう思いながら、自分はこの子の頭を撫でた。

3/10/2025, 10:04:35 AM

「嗚呼」

嗚呼、神様。
どうしてあなたは私を創り出したの?

私は徒花。間違って生まれてきた花。
私は不協和音。生まれるはずのなかった音。
私は影。光に照らされたら消えてしまう儚い影。

嗚呼、神様。
どうしてあなたは私を創り出したの?

私はどこにもはまらないパズルのピース。
存在意義も、居場所もない、パズルのピース。
だれも欲しがらない。帰る場所もない。

なのに、私は生まれた。
生まれてしまった。

闇から光に突き落とされてしまった。

こんなに明るい場所じゃ、私は生きられないよ。

嗚呼、どうして?

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