Frieden

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「願いが1つ叶うならば」

「ニンゲンしゃん!」「?」「ボク、よーしぇーしゃんになりましゅ!」「いきなり何があった」「あのねー、えほんにねー、おねがいかなえてくれるよーしぇーしゃんがいてねー!」

嬉しそうに話してる。自分は横でうんうん頷く。

「だからねー!ボク、ニンゲンしゃんのおねがいかなえるの!」
「ありがとう。」「おねがいかなえてからありがとっていって!」

「はいはい。じゃあ、妖精さんはどんなお願いを叶えてくれるのかな?」「えとねー。」

「どんなおねがいあるのー?」
「何もせずダラダラしたい。」
「えー?!だらだらがおねがい?」「うん。」

「わかった!いっちょにだらだらちよっか!」

「だらだら〜」「……。」
「これ、たのちい?」「楽しいとかっていうよりも、気持ちいい、かな。」「へー。」

「何もしない」っていうのは、意外と開放感があっていい。
ダラダラすることで疲れるわけじゃないし、何が減るわけでもないから、たまにはこういうのもいいな。

「妖精さん。」「はーい!」「妖精さんは、もし願いがひとつ叶うとしたら、どんなことを願うの?」「んー……。」
カーペットに寝転びながら考え中らしい。

「おちごと。」「?」「⬛︎⬛︎ちゃんと、おとーしゃんといっちょにおちごとちたかった。」「……仕事したかったんだ。」「ん。」

「だってねー、ボク、おちごとのために、うまれてきたんだよー?」「あちょねー、⬛︎⬛︎ちゃんもおとーしゃんも、おちごとたのちちょーなの!」「だから、おちごとちたい!」

「……大丈夫、いつかきっと叶うよ。」「ほんと?!」「自分はそう思う。」「んー!」嬉しそうに顔を埋めてきた。かわいい。

「ボク、みんなのためにいぱーいがんばるからね!」

純粋無垢な子どもの、とても優しい願い。
この願いが叶うのを、自分も見守れたらいいな。

そう思いながら、自分はこの子の頭を撫でた。

3/11/2025, 5:04:14 PM