Frieden

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2/10/2025, 4:41:11 PM

「星に願って」

「ねね、ニンゲンしゃん!」「どした?」
「ニンゲンしゃん、おほちちゃまにおねがい、ちよー?」
「いいけど、いきなりなんで?」

「えほんでよんでもらったの!」……かわいい。
「だからねー、ニンゲンしゃんといっちょにおねがいしゅるのー!」「わかった。」「ぎゅー!」「よしよし。」

相変わらずふわふわの髪の毛だ。

さてと、ベランダに出ようか。
星に願いを込めるなんて、こんなこと、自分ひとりじゃ絶対しなかっただろうな。

ベランダに出て、ふと気づいた。
雪雲がかかっていて星どころか空が見えない。

「おにいちゃん、空見えないよ。どうする?」
「んとねー。」「こころのおほちちゃまに おねがい!ちよーねー!」「心のお星様?」「んー!」

「えとねー、こころには、おほちちゃまがあってねー。」
「おねがいごと ちたらね、いちゅかね、かなうの!」
「そっかー。」「えほんでいってたよ!」「へー。」

「じゃあー、おほちちゃまに おねがい!ちよーね!」
「星に願いを……。」

……不労所得が手に入りますように。×3

「おにいちゃんは何お願いしたの?」
「みんなたのちくげんきでいてねー!っておねがいちた!」

「ニンゲンしゃんはー?」「……うーん、秘密。」
「なんでー?」「秘密だからねー。」「むー!」
そんなに怒らなくても。でもかわいい。

「ニンゲンしゃん!」「?」「ねんね!ちよー?」
「そうだね、そろそろ寝ようか。」「んー!」

「おやすみ。」「おやしゅみー!」

……こんな日が1日でも長く続きますように。

゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。 

なんと2/9 でここに来て1年が経過していました!!!
読んでくださる、また素敵な文章を読ませてくださる皆様、本当にありがとうございます!

これからもここで長く書き続けられることを、そして素晴らしい文章に出会えることを星に願って。

2/10/2025, 12:58:11 PM

「君の背中」

大好きな⬛︎⬛︎へ

はじめはあれだけ小さい背中だったけれど、頼りない背中だったけれど。毎日を過ごしていくうちに、少しずつできることが増えて、頼もしくなっていって、私はとても幸せだったよ。

⬜︎⬜︎がいなくなってしまったとき、君は涙も見せず、私に頼ることもなく、ずっと頑張ったね。
小さな背中に、とても重いものを背負わせてしまった。

本当にすまなかった。

せめてもっと長い時間、一緒に生きられたら。

少しは君も楽だったかもしれないのに。

私はいつも、誰かを、君を、苦しめてばかりだね。

でも、これからはきっとそうではないはずだ。
私も、小さなきょうだいも揃ったから。

もっとたくさん、甘えていいよ。

2/10/2025, 4:54:57 AM

「遠く……」

夢を、見ていた気がする。

それはそれは、幸せな夢だった。

やさしい日差しの中、あなたと一緒にお花畑に出かけるの。
そして、花輪を作りながらいろんなことをお喋りして、笑い合って。とても温かい時間だった。

幸せだった。

でも、なのに。

私は何も覚えていないの。

私はどんな話をしたの?
なんの花畑で?
あなたって、だれ?

だんだん、思い出が遠くへ行ってしまう。
寂しい、悲しい。

あなたのことすら、忘れてしまうの。
そんな、どうして。

だんだん意識が遠のく。
浮いていくのかも、沈んでいくのかも分からない。

私はどこまで行くの?
遠くまで?あなたの元まで?

……あぁ、あのお花畑が見えてきた気がする。
早く行かないと……。

2/8/2025, 10:05:41 AM

「誰も知らない秘密」

「また同じクラスでほっとした。」
おれの一番の友達が言う。
「新2年生ははじめに自己紹介だってさ。めんどくせー」

「そんなんでぶつくさ言うて!もっとしゃんとせなアカンやん!」「んなこと言われても。」

「だって特技とかねぇし。」「ウソつけ!お前はちゃめちゃにピアノ上手いやんけ!」「恥ずかしいから言うなって!」

「でも、こうやって言うてくるっちゅうことは、喋る内容に困ってるんちゃうの?」「……たしかに、まあそうだけど。」

「ヘイ、〇iri」「誰がや?!」「俺の長所を教えて」「顔がええところですー」「おい!お前!それを本人に言わす気か?!」「え?事実やろ?」「クソムカつく」

「んじゃあ、他の長所を教えて」「ちょっと気怠げなところですー」「さりげなくdisるな」「おれはそこがいいとこやと思うんやけどなー。」「うるせー!」

「じゃあ短所を教えて」「最近ポテチ食べ過ぎなところですー」「悪かったな!ってか短所じゃなくね?!」「だって……短所ないやん 。」「んなわけあるか!」「ぴえん」「しばくぞ」「 」

「……趣味は」「音楽聴くこと!」「好きな食べ物は」「天ぷら蕎麦」「得意科目は」「歴史」「将来の夢は」「切手の絵を描く人!」

「身長」「176cm!去年より6cm伸びましたー!」
「体重」「60kg!若干痩せ気味な気もする!」
「あのさ」「なんでも聞いてや!」「いや」「?」

「なんでそんな俺のこと知ってんの……?将来俺のPCの暗証番号突破するつもり、とか……?怖……。」
「なんとなく……?いや、ずっと一緒やったからかな……?」

……やってもうた……。

「へへっ、俺どんだけ愛されてんだよw」「?」
「そんだけ情報ダダ漏れなの、もはやオモロいんだけど!」
「やっぱ変なやつやな、お前!」

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こーゆーしょうもないことで笑えるから、笑ってくれるから。
……おれはお前が好き。
これはおれが墓まで持っていく秘密や。

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やべー、俺のことめっちゃ知られてる。
なんで、なんで……?
俺がお前の事好きなのも、バレてる……?!

あー、腹括った!
ちゃんと好きって、言わなくちゃ、だよな。
……どうやって伝えたら、喜んでくれるかな。

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ほぼ1周年と4000❤︎を同時に達成しました!
皆様本当にありがとうございます!!
今後ともよろしくお願いします୧꒰*´꒳`*꒱૭✧︎

2/7/2025, 10:09:21 AM

「静かな夜明け」

海、空、暗黒、そして星の瞬き。
聞こえるのは、海風の囁き。

やがて太陽が昇り、静かに、しずかに彼らを消してしまう。

静かな夜明けは、静かな死。
そして、静かなはじまり。

鳥の囀りの音が、大きな波の音が響いて、消える。

死は生に、生は死に、その繰り返し。

この円環を、ゆっくりと歩くのは生命。

さて、今日が今日をはじめる。

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