「静かな夜明け」
海、空、暗黒、そして星の瞬き。
聞こえるのは、海風の囁き。
やがて太陽が昇り、静かに、しずかに彼らを消してしまう。
静かな夜明けは、静かな死。
そして、静かなはじまり。
鳥の囀りの音が、大きな波の音が響いて、消える。
死は生に、生は死に、その繰り返し。
この円環を、ゆっくりと歩くのは生命。
さて、今日が今日をはじめる。
「heart to heart」
昨日は誕生日でした。
私には友達と呼べるような人はいないので、家族が申し訳程度に祝ってくれたくらいでした。プレゼントなかったよ……。
ですが、嬉しいことにSNSでは思っていたより祝われました……!
顔も名前も知らない皆さん、ほんとうにありがとうございます!
心と心が繋がるような、触れ合うような、とても温かい時間を過ごせました!残業でしたが皆さんのおかげで美味しく誕生日ケーキが食べられて幸せでした……!よかった……!
今年からはもっと真面目に過ごしていきます!
ここで私の書いた文章を読んでいただいている皆さん、いつもありがとうございます!寒いので気をつけてお過ごしくださいね♪
「永遠の花束」
あぁ、愛しの君よ。麗しき姫君よ。
貴女は言葉では表せないほどに美しい。
言葉の代わりに、何で君の美しさを表現しようか。
絵にしようか。
いや、絵では駄目だ。
いつか色彩を失ってしまうから。
彫刻にしようか。
いや、彫刻でも駄目だ。
どこかが欠けてしまえば、完璧ではなくなってしまうから。
どうしようか。
僕はあれこれ悩んだ。
なんでも作れる僕は悩んだ。
そうだ。それなら。
花束を作ろう。
君の美しさを永遠に閉じ込めた、花束を。
君の瞳はラナンキュラス。君の唇は桜。
君の髪は藤。君の手はダリア。
君は花だ。
君で作った花束。
美しさを閉じ込めた、永遠の花束。
大事な君を、美しい君を、独り占めしてしまおう。
さて、どこに飾ろうか。
どこに隠してしまおうか。
「やさしくしないで」
「ねねー、ニンゲンしゃん!」「?」「はんこうき て、なあに?」「うーん……大人になりきれない子供が大人に反発したくなるお年頃……かな。説明しづらい……。」
「ふーん……。ありがと!」
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「ふーん……そんなことを聞かれて……「……や!やーなのー!」
「で、こうなったんだね?「やーやー!」
……なんか、ごめん……。
「ボク、はんこうき だもん!」
「⬜︎⬜︎、お着替えしようね?」「や!」
「それじゃあ、顔を洗おうか!」「やー!」
「……歯磨きしようね?」「やーやー!」
「ふーん……。それじゃあボクだって!」
「ニンゲンくん!」「よーしよし、いい子だー!」
「なんで自分が撫でられてるんだよ……。」
「あー!だめー!」
「へぇ?」「ニンゲンしゃんになでなで、めんめなのー!」
……申し訳ないが、怒っててもかわいい。
「それじゃあ……⬜︎⬜︎。」「んー……?」
「いい子だね〜!」「ん!やしゃしいの、めー。」
「へえ、嫌なんだ〜?なでなでやーめたっ!」「……やー!」
「やしゃしくないの、めっ!」「よしよ〜し」
「反抗期を続けてもいいよ、⬜︎⬜︎?」「や!」
「はんこうき おわりだもん!」
「それじゃあ、朝ごはんにしようか!」「ん!」
こうして小さな機械による反抗期は幕を閉じた。
反抗期───人々はおそらくこれをイヤイヤ期と呼ぶ……気がする───短いな……。
でも、この子にいちばん似合うのは笑顔だから、早めに終わってよかった。
「ニンゲンしゃん!ごはんたべよ!」
「うん。ありがとう。」
「みんな揃ったね!それじゃあ!」
いただきます!
「隠された手紙」
今日も仕事がてら、昔を思い出す。
小さなこどもたち───といっても私の造った機械なのだが───も無事元気に生きている。
仕事に役立ちそうな資料を見ている時、ふと思い出した。
研究発表のための資料を作ってもうこれ以上行うことはない、そう思って翌日発表を行った。
その時、どうやって紛れ込んだのか、こどもたちの書いたかわいい落書きが突然表示されたのだ。
笑顔の私たちの絵───これは⬛︎⬛︎が描いたのだろう───と、拙い字で書かれた「おとうさん だいすき」───こっちは⬜︎⬜︎のメッセージだ───。
ありがとう。嬉しいな。うちに帰ったらふたりを抱きしめないと。そう思うと同時に、顔から火が出るほど恥ずかしかった。
なにせ、私が自分の造った機械にお父さんと呼ばせていると思われるとなんだか気まずいというか、そういう趣味だと思われると恥ずかしいというか……。
さて、どう誤魔化すか……。
「かわいい絵ですね。お子さん、いらっしゃるんでしたっけ?」「あぁ、えーと……。」「そういや、博士は確か、将来宇宙管理士にするための機械を2機作られてたはずだよ。」「あー!」
「その子たちが描いたんですね!随分と懐かれてるみたいで、いいじゃないですか!」「どうも……。」「その子たちのお披露目はもう少し先ですよね!楽しみだなぁ!」「……ふふふ。」
……変な目で見られなくてよかった……。
そして、何よりもあの子達が歓迎されていることが嬉しい。
……そんなことを思うと、今すぐ帰りたくなってきた。
君たちのいる家に。
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なんてこともあったなぁ。
ふたりとも、今頃昼寝でもしてるかな?
楽しく過ごしてくれていたら、これ以上に幸せなことはない。