「永遠の花束」
あぁ、愛しの君よ。麗しき姫君よ。
貴女は言葉では表せないほどに美しい。
言葉の代わりに、何で君の美しさを表現しようか。
絵にしようか。
いや、絵では駄目だ。
いつか色彩を失ってしまうから。
彫刻にしようか。
いや、彫刻でも駄目だ。
どこかが欠けてしまえば、完璧ではなくなってしまうから。
どうしようか。
僕はあれこれ悩んだ。
なんでも作れる僕は悩んだ。
そうだ。それなら。
花束を作ろう。
君の美しさを永遠に閉じ込めた、花束を。
君の瞳はラナンキュラス。君の唇は桜。
君の髪は藤。君の手はダリア。
君は花だ。
君で作った花束。
美しさを閉じ込めた、永遠の花束。
大事な君を、美しい君を、独り占めしてしまおう。
さて、どこに飾ろうか。
どこに隠してしまおうか。
2/5/2025, 11:49:47 AM