「隠された手紙」
今日も仕事がてら、昔を思い出す。
小さなこどもたち───といっても私の造った機械なのだが───も無事元気に生きている。
仕事に役立ちそうな資料を見ている時、ふと思い出した。
研究発表のための資料を作ってもうこれ以上行うことはない、そう思って翌日発表を行った。
その時、どうやって紛れ込んだのか、こどもたちの書いたかわいい落書きが突然表示されたのだ。
笑顔の私たちの絵───これは⬛︎⬛︎が描いたのだろう───と、拙い字で書かれた「おとうさん だいすき」───こっちは⬜︎⬜︎のメッセージだ───。
ありがとう。嬉しいな。うちに帰ったらふたりを抱きしめないと。そう思うと同時に、顔から火が出るほど恥ずかしかった。
なにせ、私が自分の造った機械にお父さんと呼ばせていると思われるとなんだか気まずいというか、そういう趣味だと思われると恥ずかしいというか……。
さて、どう誤魔化すか……。
「かわいい絵ですね。お子さん、いらっしゃるんでしたっけ?」「あぁ、えーと……。」「そういや、博士は確か、将来宇宙管理士にするための機械を2機作られてたはずだよ。」「あー!」
「その子たちが描いたんですね!随分と懐かれてるみたいで、いいじゃないですか!」「どうも……。」「その子たちのお披露目はもう少し先ですよね!楽しみだなぁ!」「……ふふふ。」
……変な目で見られなくてよかった……。
そして、何よりもあの子達が歓迎されていることが嬉しい。
……そんなことを思うと、今すぐ帰りたくなってきた。
君たちのいる家に。
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なんてこともあったなぁ。
ふたりとも、今頃昼寝でもしてるかな?
楽しく過ごしてくれていたら、これ以上に幸せなことはない。
2/3/2025, 6:50:45 PM