“日常”
僕の日常…
朝家族を起こす
みんなを見守る
外の様子もしっかり確認!よしOK
おなか空いたなー 朝食ください!
朝ご飯を食べる
水を飲む
みんなが出かけるのを見送る
お母さんのそばに行く
マッサージしてくれる!
眠くなってきたな
あそこの冷たい床で寝よ
ん!?お母さんも出かけそう
じーっと見てると、おやつくれる!
「お留守番よろしくね」うん!任せて!
ん!?誰か帰ってきたかな
お母さんか。眠い…んだよ…まだ…
寝てるけどおかえりー……………
ん!?今度はクーちゃん帰ってきた!!
おかえりーーー!!!
この匂いが好き!今日の給食はなんだった?何してきたの!???誰と遊んだ??楽しかった?
ん?なんか、元気なさそう?大丈夫?
僕がいるよ!
僕がいるから大丈夫!
みんな帰ってきた
よしよし
夕飯を食べる
僕のはすぐ終わっちゃうんだ…
でも、たまにデザートももらえる!
ご飯のあとは游ぶ時間!
早く早く!遊んで!撫でて!
やったーー!!嬉しいな!嬉しい!
眠くなってきた
先に寝るよ おやすみ
“好きな色”
「水色」
海の色、空の色、水の色、雨の色、
涙の色…
私の心の色
いつの間にか、私の心は涙に支配されている
何があっても悲しい
とにかく悲しい
でも、誰もそれには気づいてくれない
ただ、ひとりで悲しいのだ
楽しいことも楽しくない
面白いことも面白くない
自分が一番、つまらない人間だ
それがずっと続いている
誰にもわからない感情の中に
私は今いる
ただそれだけ
「あなたがいたから」
―はじめまして―
右も左もわからなかった。
突然隣に現れたから。
朝も晩もずっと一緒。
なんで隣にいるのか、そんな状況が、ずっと不思議だった。
思ったよりも大変だった。
そりゃそうだ。生きてるんだもの。
泣いて笑って寝て怒って、全ての感情むき出しで、私を頼ってくる。
でも、意外と簡単だった。
優しく包みこんであげれば、安心していた。
手はかかったけど、ほんとにほんとにかわいかった。
全力で私のことを好いてくれた。
その小さな身体で―
今は私よりも大きくなって、もう包みこめないけど、
ずっと見守っていくの。
あなたのおかげで、私は母親になれたから。
人生最大のプレゼントをもらえたから。
ほんと、ありがとう。
“相合傘”
憧れの先輩に告白。
晴れてお付き合いすることに!!!
これから梅雨の季節。
相合傘が待ち遠しい。
“落下”
落ちる―――
目の前でマグカップが傾く。
ジャンプしてきたキジトラのマーロの後ろ足が当たった。
マーロも気づき、すまなそうに俺を見る。
―ダメなんだ、それは―
彼女がどこか旅行に行った時に買ってきてくれた。素焼きの一点物らしい。
―マグカップぐらいは大切にしてね―と、いい加減な俺にわざと嫌味混じりに言った。
これは大事にするんだと決めたんだ。
俺の身体は宙を舞った。
次の瞬間、凄まじい音とともに、積み上げた本やガラクタが崩れ落ちる…そして、俺も床に打ち付けられた。
マーロは慌てて隣の部屋へ逃げていったらしい。
俺は…仰向けになったまま、天井を見つめホッと胸をなでおろす。
こんな時に、野球部で培われた瞬発力が急に発動された。
―間に合った…―