『大事にしたい』
自然の中にあふれる
見過ごしてしまいそうな 美しさ
それを 見つけられるのが 詩人なのだと
教えてもらった
気がつかないだけで 身近にあふれている
たくさんの奇跡
たとえば
桜の花が散ってしまった。
その下の石畳には
美しい桜色の絨毯が 敷き詰められ、
訪問客をもてなし、
その下の池に浮かぶ 桜のはなびらたちは
第二の人生を生きるかのように
鯉と仲良く、
美しく 咲いていた
終わりを告げ、死を仄めかすように感じられて
切なさを覚える 散る桜たち
だが、光の当て方を変えれば
散った桜の 奇跡のような 美しさに
ハッと させられる
詩心は
小さな奇跡を見つける中に
宿っている
詩心こそ この世の嵐をも
生き抜く 蘇生術にも思えた
この心を 私は 生涯、
大事にしたい そして、育てていきたい と思った
『時間よ止まれ』
流れるように
止まることなく
止め処なく
時は流れていく
まるで 川に流れる水のようだ
そんな自然の摂理さえも
どうしても 止めたくなるのは
どんなときだろうか
どんな思いが凝縮されたときだろか
幸せの絶頂に辿り着いたとき?
永遠のような後悔を背負う瞬間の手前?
何気ない幸せを見つけたとき?
静かな怒りを携えて 復讐に臨む時?
誰かの命の炎が 消え入ろうとするとき?
その瞬間に
時を止められたらと 願うのは、
それだけに きっと 強く
しあわせだと感じられる未来を
求めているから なのではないか
川の流れと
時の流れは
絶え間ないところが
とても よく似ている
今も心に残っている
“川の流れが
止まってしまうと 水は澱んでいく
止まることなく ずっと
流れ続けているから 川の水は澄んでいるんだよ
人間の心も一緒だよ” と。
すべてが停滞していた 死んだ魚のような 私の心に
ドカンと響く言葉でした。
何があっても 流れ続ける
毎日 毎日 止まることなく
たとえ 1ミクロンであったとしても 前へ 前へ
それが しあわせへと続く 一本道
そう思った
“時間よ止まれ”
祈りにも似た その思いは
しあわせになりたい との叫びに似てる
あなたが しあわせになれるように
あなたの心が 澄み渡るように
止まらない 時の流れは
あなたの心に 優しく 寄り添う
『花畑』
死後の世界のイメージのひとつにもなっている
一面の花畑
どうして、花畑なのだろう
夢の中の 花畑を歩く人は
皆、笑顔に映った
まあるくて あたたかくて
やわらかな気持ちとともに
人は 花を愛でる時
なんの見返りも 求めはしない
ただ ひたすらに ひたむきに
こちら側から 愛を注ぐ
それは 心を安らかにしてくれた
花への 感謝の表れなのかもしれない
無償の愛と感謝
それが 花の真理なのだろうか
もしかしたら 死後の世界も
無償の愛と感謝で 満ち溢れていますようにと、
願いを込めて
死者に 花を手向け、
花畑へと 送り出す
そんな意味が込められているのだろうか
花畑から 膨らんだ
私のイメージ
空が泣くと、、、
きっと今、どこかで
誰かが泣いている そんな気がしてくる
だから 私の心も泣き空みたいに 湿ってくる
知らない 誰かと 私の心に
想いの虹を 架けてくれた
果てしない空
『夜明け前』
“闇が深ければ深いほど、暁は近い”
夜明け前の漆黒
無音の中
耳を傾けるのは
私の心の声
眼前に、どんなに険しい道が立ちはだかろうと
今がどんなに、辛く、苦しかろうと
永遠のように感じられる この闇は
いつか、必ず明ける
その真理を 自然は厳然と 示してくれている
まるで 永遠の鎖に繋がれたかのように
闇に封じ込められた光が、
その鉄鎖を打ち砕き、
闇を切り裂くように 苦しみを跳ね返し、
一筋の光を放つ
その光は徐々に 辺りを染め上げ
やがて一挙に 広がり 鮮烈に照らしだす
世界が劇的に変わる瞬間だ
この瞬間を
ヒトは本能的に知っているからだろうか
“夜明け前”の漆黒は
希望の足音なのだ