「あなたへの贈り物」
私の心の中に静かに押し寄せる波を
あなたへ贈りましょう
私の心の中に煌めき揺れる炎を
あなたへ贈りましょう
私の心の中に空高く舞い飛ぶ小鳥を
あなたへ贈りましょう
私の心の中に鮮やかに咲く花たちを
あなたへ贈りましょう
私の心の中は
あなたへの愛の贈り物で
こんなにも
溢れてる
「羅針盤」
かの昔
羅針盤を握りしめ
果てなき紺碧の大海原へ
楽園を目指す者たちがいた
平穏な大陸を離れ
水平線の彼方を目指し
未知なる憧れの地を夢見る
蜃気楼のように遠く揺らめき
消えていく楽園は
追いかければ追いかけるほど
遠ざかって行く影のように
掴めない
それでも人々は
決して諦めることなく
昼も夜も果てない海を彷徨い
航海し続けるだろう
心の中にある羅針盤の
小さな針が示す先へと
「明日に向かって歩く」
誰しもが昨日に向かって歩けない
昨日は僕をすり抜けて
今日という日がやってくる
誰しもが今日という日を歩いてる
そっと歩いた道を振り向けば
足跡は全て昨日へ落ちていく
今日という日の記憶は
明日の夜明けとともに
昨日の記憶に溶けていく
明日は必ずやって来る
誰しもが明日に向かって歩いていく
明日に向かって歩く
その記憶もいずれは
昨日のページに
刻まれるしかない
運命なのに
「ただひとりの君へ」
君という人間は
この世界に
ただ1人しかいない
僕という人間も
この世界に
ただ1人しかいない
ひとりきり
この世に生を受け
やがて巡り合い
ふたりきり
そんな関係が
幾重にも幾重にも重なり合い
この世界は作られている
世界に
ただひとりの
君と僕
「手のひらの宇宙」
宇宙は誰かの
手のひらの中
その手のひらの中に
私たちは存在していて
小さな宇宙を作っている
その小さな宇宙は
微小で儚い命を宿し
浮かんでは消え
浮かんでは消えを繰り返す
その存在は
決して孤独ではなく
小さくても意味を持ち
無限の可能性を秘め
宇宙を創造する存在の
一部であることを知る
いつか私たちは
手のひらの宇宙を担う存在として
生きているのだということを知る