今日も夜に想う
ただ君が愛おしくて
「ねぇ、私と踊りませんか?」
この綺麗な星空と月明かりの下で
君と過ごせたらなんて思ってしまう
大事にしたい思い
対立する思い
甘い思いも淡い思いも
苦い思いも苦しい思いも
全ての思いを大切にしたい
いつも通りの毎日、変わらない毎日、だから早く終わらないかなとか思う毎日
けどもその中に、友達と毎日会って笑い合う日々、帰り道に大はしゃぎする日々、部活を全力で頑張る日々、好きな人がいる日々、色んな尊い日々があって、そんな時にふと思ってしまう
時間がこのまま止まってしまえばいいのにな
「だれ?」
私はいつものお気に入りのスポットへ向かう
キラキラとした街灯りを横目にどんどんと森を抜けていく、そんな夜景も綺麗だとは思うけど私はそれよりも、
もっと大好きな夜景がある
ただ暗いだけの森を抜ける、街明かりが遠ざかる
森を抜ければそこに広がっているのはいつも綺麗な星空たち、ただ純粋に輝いているだけの星空がちょっとした丘に流れる小川に反射している、ただ綺麗…なんだけど
「だれ?」
私しか知らないはずの場所、今までだって誰もいなかったのに、今日は誰かいた
「君こそ、どうしてこんな時間に一人でこんな所まで?早くパパとママの元へ帰りな」
そんな子供扱いされるような年でも無かった私はムッとした
「そんな子供扱いされる年じゃありませんー!」
「はいはい、それよりいいの?もうすぐ日付変わるよ」
確かにスマホを見るともうすぐ日付が変わる時間だった
「いいの、どうせ誰もいないし誰も私を見ない」
「へぇ、一緒だね」
そんなこと言って微笑む、何を考えてるのかサッパリだ
「それよりそこ、私のお気に入りの場所なんだけど」
私はいつも小川の直ぐ側に腰掛けて足を川に着けながら星を眺める、まるで宇宙にいるみたいな、自分も星の一部みたいな、不思議な感覚になるのが大好きで
「いいじゃん、ケチケチしないでよ」
そんなこと言いながら隣を進めてくる、本当に初対面かよとか思いながら腰を掛ける
「それにしてもこの川冷たいね、よく普通に入れるね」
「まぁ、ずっと通ってるし」
「へぇ、じゃあもっと早くにこの場所を見つけたかったな、そしたらもっと早く友達になれたのに」
何を言ってるのかサッパリだった、いつの間にか私は友達ということにされてしまったらしい
「何を言ってるのかサッパリなんだけど」
「いいじゃん別に、似た者同士」
さっきから似た者同士とか言ってるけど、本当に私と同じ境遇なんだろうか
「ねぇ、明日も来るよね?」
「何言ってるの、別に来るけど…」
「よかった、じゃあ明日も会おうね!」
いつの間にか明日も合うことにされた、そのまま帰っていったし、本当によく分からない
「明日からうるさくなるのかな…」
なんて思いながら目をそっと閉じてみた
「わぁ!綺麗だよ!」
そう言ってはしゃぐ君、白いワンピースは周りの花畑に馴染んでいて違和感が無かった、とても綺麗だったんだ
ただ見惚れていた
「ダーイブ!」
そんなことを言いながらただ無邪気に花畑に寝っ転がりはしゃぐ姿がまた愛おしくて
「来年もここで会おうね?約束だよ?」
ただ綺麗な青空と小高い草むらの花畑、逆光になって座り込む君は気づけば手に花の冠を持っていた、そよ風が吹いてきて君の長い髪が揺れる
あぁ、ここが天国なのか
そんなことを思い、想い、君の手にそっとキスをした
「約束な」