涙が止まらない真夜中
今日もダメだったな、なんで生きてるんだろうなぁ
窓の外は無駄に明るい街明かりと水滴
ザァザアと地面を鳴らす音と窓を鳴らす音が心地良い
ねぇ、君も泣いてるの?
君から送られてくるラインってさ、どこか素っ気ないんだよね、でも返してくれるだけでも嬉しく思うよ?だからさ、ライン返してよ…ねえ
相手にラインがブロックされているかを確認する方法を試した、すると私はどうやらブロックされているようだった
なんで?私はこんなにも君のことが好きなのに、大好きでたまらないのに、ただラインの頻度が1週間に1回、1日に一回、1時間に一回、10分に1回、1分に1回、とにかく頻度高く送ってただけなのに…
「例えこの命燃え尽きようとも貴方様に尽くすことを誓います」
そんなこと言われる、ある日配属されていた執事はどうやら武の心得もあるらしく、執事兼ボディーガードとかいうよくわからないやつが入ってきた
そんなこと言わなくったって、こんな平和ボケした国じゃ大したこと起こらないと思ってた、思ってたのに…
「お嬢様!お逃げください!」
「いやよ!貴方も逃げるの!」
突然、反乱が起きた、なんでもお父様がこの国の王になってから自由が無くなったと不満を持つ人達が多くなったらしい、そのため王族の血筋は皆殺しにしろと…
「私は初め、この命が燃え尽きるまでお嬢様に尽くすと誓いました、今ここで逃げれば示しがつきません」
私は何も言えなかった、何も言えずに逃げた、ただ胸が痛かった、ただ逃げながら切実に祈った
どうか…無事でいて欲しい…
反乱が終わった、もちろん私以外の人たちはひとり残らずいなくなってしまった、いつもならば神様も生まれ変わりも来世も何も信じていなかった、ただ人は死ねば土に還る、無になるだけだと思っていたんだ、けれどそんな言葉で片付けたくないくらい信じられない光景に思ってしまった
「来世でも…また君に会いたいよ…ねえ…」
20xx
私しか知らなかったはずの、桜を見るには丁度いいスポット、毎年来てたんだ、ねぇ…
「この命燃え尽きるまで、またお供させて頂きます」
もうこんな時間だと思う、憂鬱だと思う、消えたいと思う、ただ君を想う
「ただ…私は生きていたい…」
そんなことを一人きりの世界でポツリと呟く
ただ夜明け前の空に溶け込んでみる、夢を見てみる
友達がいて、勉強ができて、運動は少し苦手で、君と2人一緒で
「誰か…いっそ私を夜に閉じ込めてよ…」
私は今日も生きるために準備をする
皆本気の恋をしている、けれど皆叶うわけじゃない
「本気じゃなかった訳ないでしょ!」
そう泣きじゃくる友人を私はうまく慰めることはできなかった、私自身が本気の恋をしたことが無かったから、いや、できなかったから
「あんたのせいだ!」
昔別の友達に言われた言葉、その子は好きだった人に告白したが振られてしまったらしい、その人は私のことが好きだったらしい、いわゆる三角関係…いや、厳密には私はその人のことはどうとも思っていなかったから違う
私はその事があってからは本気の恋愛が怖くなった
きっと誰もが甘酸っぱくて幸せな恋をしたいと願っている、けれど世界というのは残酷なようだ