「だれ?」
私はいつものお気に入りのスポットへ向かう
キラキラとした街灯りを横目にどんどんと森を抜けていく、そんな夜景も綺麗だとは思うけど私はそれよりも、
もっと大好きな夜景がある
ただ暗いだけの森を抜ける、街明かりが遠ざかる
森を抜ければそこに広がっているのはいつも綺麗な星空たち、ただ純粋に輝いているだけの星空がちょっとした丘に流れる小川に反射している、ただ綺麗…なんだけど
「だれ?」
私しか知らないはずの場所、今までだって誰もいなかったのに、今日は誰かいた
「君こそ、どうしてこんな時間に一人でこんな所まで?早くパパとママの元へ帰りな」
そんな子供扱いされるような年でも無かった私はムッとした
「そんな子供扱いされる年じゃありませんー!」
「はいはい、それよりいいの?もうすぐ日付変わるよ」
確かにスマホを見るともうすぐ日付が変わる時間だった
「いいの、どうせ誰もいないし誰も私を見ない」
「へぇ、一緒だね」
そんなこと言って微笑む、何を考えてるのかサッパリだ
「それよりそこ、私のお気に入りの場所なんだけど」
私はいつも小川の直ぐ側に腰掛けて足を川に着けながら星を眺める、まるで宇宙にいるみたいな、自分も星の一部みたいな、不思議な感覚になるのが大好きで
「いいじゃん、ケチケチしないでよ」
そんなこと言いながら隣を進めてくる、本当に初対面かよとか思いながら腰を掛ける
「それにしてもこの川冷たいね、よく普通に入れるね」
「まぁ、ずっと通ってるし」
「へぇ、じゃあもっと早くにこの場所を見つけたかったな、そしたらもっと早く友達になれたのに」
何を言ってるのかサッパリだった、いつの間にか私は友達ということにされてしまったらしい
「何を言ってるのかサッパリなんだけど」
「いいじゃん別に、似た者同士」
さっきから似た者同士とか言ってるけど、本当に私と同じ境遇なんだろうか
「ねぇ、明日も来るよね?」
「何言ってるの、別に来るけど…」
「よかった、じゃあ明日も会おうね!」
いつの間にか明日も合うことにされた、そのまま帰っていったし、本当によく分からない
「明日からうるさくなるのかな…」
なんて思いながら目をそっと閉じてみた
9/18/2024, 1:47:55 PM