『ティーカップ』
使ったことある?
「無い(即答)」
ですよね〜
〜シロツメクロツメ雑談会〜
「厳密には無くはないけど
それもなんかたまたま行った
ちょっといいご飯屋さんの
最後のコーヒーとか紅茶とか
そういう時だけかなぁーって」
実際そうなんだよねぇ〜
紅茶はまだしも
コーヒーはたまに飲むけど
それも缶コーヒーかマグカップか
そんぐらいだもんねぇ
「というか家に置いてある?」
無いねぇ
実家の棚には置いてある記憶あるけど
いまはわざわざ買って置いて
ティーカップに入れて飲むっての……
しないからなぁ〜
「無いよねぇ〜
あーあと店とかのやつ
出てきたら出てきたでめっちゃ熱い!」
それ
特に猫舌にとっては
最高のひとときの最後に
急に試練を与えられたみたいで
かなり辛いのよね……
「わかるw ところで
なんかやらかした話でもないん?
閉まらんぞ?無いならないでいいけど
雑談だし」
んー……
昔小さい頃
家にあったティーカップって
金箔ついてるやつでさ?
ぬるくなったヤツ温めるために
レンチンしたことある
「ぁー……w」
〜シロツメナナシ〜 (火花)
『寂しくて』
埋まらない……
埋まらない…………
埋まらない………………
埋まらない……………………―――
心の空白……、
ぽっかり空いた……大切な人や、
大切にしていたものを無くした、
空洞化してしまう痛み……
……穴が空くことそのものと言うよりも
その空いた穴へのすきま風や
入り込んだホコリひとつで
ヒリヒリと、ズキズキと、
痛む……いたむ……イタむ……
空いた空洞は「型」になってて
なかなか上手く埋まらない……
「型」を変形させるか、
全くおなじに隙間なく埋めるかしか、
私には見つけられなくて……
限りなくおなじを見つけても
まったくおなじじゃないから
すきま風が、また私を傷つける……
止まらぬ時計と喧嘩して
喧嘩し、喧嘩し、喧嘩して、
時間をかけて、傷を治し
時間をかけて、あな塞ぎ
時間をかけて、型変えて
次の幸せ、迎えるために―――
〜シロツメ ナナシ〜
『心の境界線』
どんなに好きな人とでも
ひとつの線は引いておく
どんなに同じになれたとしても
あの人は私に変わるわけじゃない
どんなに一緒になれたとしても
以心伝心なんてできる訳じゃない
あの人を殺してるのは多分、私
あの人ならとか、わかってくれるとか、
勝手に期待を重ね続けて
勝手に裏切られたと感じてる
そんな単純なことに
私は気づかなかった
好きだからこそ
好きな人との心の線引は、
大切なことなのかもしれない
これは他人行儀って訳じゃない
恋人であり、パートナーでありつつも、
友人のようであり、理解者であり、
そして―――
他人であることを忘れない
そんなふたりが支え合い続け
幸せな二人で居続けるコツ
…………なんて持論を思ってます
〜シロツメ ナナシ〜
『透明な羽根』
みんな羽根をもっている
誰にも見えない羽根がある
その羽根の使い方
今は無数に存在する
だけど方法 多すぎて
探し見つけるさぁ大変
無限の中から誰に聞く?
無限の中からどれ信じる?
無限の中からどこに行く?
探して探してさぁ探そう
答えは外に無限大
応えは内に無限大
どこであっても正解さ
どれであっても正解さ
もし間違いと思ったら
間違いな訳じゃないんだよ
あなたに合わないそれだけさ
「違う」という名の正解さ
見つけて見つけてまた見つけ
今よりもっといい自分に
変わって変わって変わり続け
今日までに見つけた見えない羽根で
明日の自分を超えに行こう
明日の自分を脅かすために
〜シロツメ ナナシ〜
『灯火を囲んで』
灯火とは少し違うかもだけど
私の実家には古いストーブがある
外からマッチなどで
火をつけてから使うタイプのものだ
古いというのはわかってるし
温まるのに時間はかかるが
その温かさがなんだか違う
自分のうちでは
最近のストーブをもちろん使ってるが
これはこれでなんか好きなのだ
2人の子どもは初めて見るのか
興味があるようで
せっかくなので見せてあげることに
私はマッチを使う
まずそこから驚いたようだ
手元で火をつける道具そのもの
というのもそうだし、
火がつくことそのものにも
火がちゃんと火の色をしていることにも
驚きを隠せない様子だった
確かに家でストーブを使ってるが
その火は見えづらいし、
何より火が青色だから
そういった違いを覚えた様子
ストーブより点火に時間がかかるが
その火が灯されていく様子に
なにか興味をそそられるようで
まるで猫が前かがみで座るように
子どもはストーブの前に陣取っていた
危ないので
とりあえず少し遠ざげる
ゆっくりと、ゆっくりと、
暖かくなっていく様子に
どうやらワクワク感があったようで
面白そうに眺めていた
思いのほかじわじわと
その温かさに驚き
徐々に自分から遠ざかっていく様子は
昔の自分を見ているようで
なんとなく微笑ましくなった
その火の温かさに嬉しさを覚えたのか
2人はしばらく
そこから動かなかった―――
〜シロツメ ナナシ〜