シロツメ ナナシ

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10/9/2025, 6:31:50 AM

『愛する、それ故に』


すき、好き、大好き

なのに、……ダイキライ

好きすぎて……好きすぎて!

ダイキライ!

こんなにこんなに好きなのに

あの人はなんにも返さない…

どれだけ気持ちを伝えても

どんなに誰にも負けないのに

あの人はいつも自由で

あの人は私以外にも気持ちを向ける

あの人ばかりが先に行く

あの人は私だけ見てほしい


……きっとまだ足りないんだ

あの人の心に穴が空いてるのかも

いいですよ、私が埋めてあげる

埋まらないなら……

常に私で満たし続けてあげるから

そしたら……私だけを見ててくれる

救ってあげる、助けてあげる、

他の人に汚されないように、

あなたが辛く苦しまないように、

私がずっとずーっと……


―――――――――助け続けてあげる


〜シロツメ ナナシ〜

10/8/2025, 1:15:12 AM

『静寂の中心で』


雨上がり、
真夜中の散歩道

虫の声さえしない夜

雨の匂いが残る中、
私は1人散歩に出た


私の心は表面張力

コップの水が今にも溢れそう


―――――――――ならまだいい


………………零れない―――


表面の水は、そのまま膨らむ
まるでシャボン玉のように
たまに「間違ってこぼれる」が
「それが間違いなんだ」と直ぐに戻ろうとする

……私にも分からない
私にはこのシャボン玉のような水が
「流すべき涙」だと分かってるのに…
上手く……泣けない…

…?シャボン水の中心に
なにかがあるような……?
この際触れてみようとするけれど
私が手を伸ばすと
コップの中に無理やり引っ込む
……あれだけの量を一体どこに

私が少し離れると、
また出てきてシャボン水に
どこぞの臆病系モンスターみたいだけど…
今はちっとも笑えない


……今だけはそれでもいい
私はここを離れないと決めた
この水が割れた時、
シャボン水の中心にあるものが
きっと私にとっての応えのひとつ


―――自分との内省を胸に秘め
湿った夜道の帰路に着く―――


〜シロツメ ナナシ〜

10/7/2025, 5:49:04 AM

『燃える葉』

これは
小学校の修学旅行の
あるひとコマの記憶


キャンプ施設でカレー作り
グループ活動で、
火を起こすところから
自分たちで頑張った
火を起こす台のところ
まきを組んで新聞詰めて
ついでに少しの葉っぱを加えて

「火」を使う

それは小さな遊び心と
中くらいの期待と
大きな不安や恐怖と

火がつく―――

小さな火が、
瞬く間に大きくなった

すごかった

けど、怖かった

みんなや大人も居たから
その時は大丈夫だったけど
火を見ながら、子どもなりの恐怖があった
自分の顔は、たぶん笑顔のようで
かなり強ばってたと思う。

昇る炎に、薪や葉っぱが
パチパチと音を立てて燃え上がる
飛んでくる微かな火の粉
説明の通り、
大人が見てる中でやったのだが

「火をつけた」のは自分

今でも
あの時の「思い」を
いまだ言葉にできない出来事として
心に、子供心と一緒に残ってる


〜シロツメ ナナシ〜

10/6/2025, 6:50:06 AM

『moonlight』


数年に1度 紅い月明かりの夜

その時のみ 開かれる
己の力 解放の瞬間

それは本人にも分からない

その夜だけは、
そのものの姿かたちも
何が起こっているのかも
誰にも―――わからない


絵本のお話と思われていたはずの
月明かりの物語


それは……こんなおはなし―――

📖´-


なぜこの話が残っているのか?

それはこれを偶然見たものが
外から見ていた者がいたからか

はたまた、
生き残って物語にしたため
今日に繋いだから

……かもしれない


〜シロツメ ナナシ〜

10/5/2025, 1:07:52 AM

『今日だけ許して』


頼む…待ってくれ……

今じゃない……今じゃないんだ…!


こんなタイミングだけは
許してくれ…!

いつも泣きたい時に泣けないのに…
なんでこんな……
こんなに人がいる時に限って
なんでこんなに泣きたくなるんだよ…!


ほんのちょっとの
きっかけやタイミングで
コップの表面張力の限界のように
間違ってダムが開いたかのように

涙が少しずつ
それでもとめどなく流れてくる
耐えてくれ…俺……!
後で思う存分、泣いていいから…!

せめて表情だけは
普段通りか 笑顔になるように
顔に力を込めていく


ただ、涙だけは…
それでも少しずつこぼれてきて


それでも……それでも耐えきれなくて、
おれはお腹が痛い振りをして
トイレに駆け込んだ―――


〜シロツメ ナナシ〜

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