『既読がつかないメッセージ』
「こんにちは」
「おはようございます」
「今日もお疲れ様です」
「ちょっと聞いてくれますか?」
「今日のお仕事、上手くいったんです!」
「でも、家に帰ったらぐったりで」
「私ももっと頑張れるようになります!」
「まだお忙しいですか?」
「連絡、いつでも待ってますからね」
「何かありましたか?」
「もしなにか悩んでるなら、私
ちからになりますからね!」
「あなたが心配です
もし私に至らないことがあったら
あなたから遠慮なく言ってください」
「私はあなたのためなら変われます」
「私、なにか気に障ること…
しちゃってましたか?」
「もしそうだとすると
どうしてもそれが何か
分からないんです、ごめんなさい…」
「謝ります、直します、
だから、いつまでも、待ってますね」
「今日は、頑張りました」
「弱音を吐かないで、
みんなを引っ張りながら」
「もし褒めて貰えたら、
私、もっと頑張れると思うんです」
「あなたからの言葉、
私の力になりますから」
「私は…待ってますね」
「大丈夫ですか?
ご飯はちゃんと食べてますか?」
「あなたが心配です」
「ほんの少しでいいんです」
「あなたの時間をほんの少しだけ」
「私にください」
「1分だけ…いえ、
10秒もいりませんから」
「あなたの時間を、
ほんの少しだけください」
「私はその本の数秒で」
「また頑張れますから」
「あなたがまた頑張れるように」
「沢山エネルギーを送りますから」
「あなたの力になれるように…」
「私頑張りますから!」
「お願いします」
「また………また私と」
「同じ時間を生きて欲しいです」
「私は、待ってますね」
「あなたと同じ時間を生きるために」
「私はあなただけを、待ち続けます」
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―――――――――
――――――
―――
〜シロツメナナシ〜
『秋色』
頭(こうべ)を垂れる稲穂
秋の天体、夏季限定商品の特売
猫の毛の肌触り、ハロウィンの足音
コオロギの合唱団、秋刀魚のニュース、
旬の食材選り取りみどり、
ほんのつい昨日ぐらいまで
夏 一色だった店の並びも
あっという間に様変わり
―――秋は色々
目で見て、耳で聞いて、
手で触って、食べて味わって、
秋の楽しみ方は まさに色々
せっかくなら、自分でやってみるのが
1番感じられるかもしれないね
特に食欲は!
私?
私は当然 食欲と睡眠
ときどき芸術の秋ですよ🍁
ん〜〜〜〜〜、
太る未来しか見えない!?
〜シロツメ ナナシ〜(太)
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『もしも世界が終わるなら』
私も自分になげかける
もしも世界が終わるなら、と
人並に苦労も悩みもあるけれど
ただやっぱり
人生という名の道によく迷う
そんな時の、
自分の心の奥底の
本音を聞き出すこの質問
やり損ねも多々あれど
それでも妥協の範囲でも
まだできることは残ってる
やらないよりはマシかもと
二の足その足動かすために
見えない光を見つけるために
私は私になげかける
天秤に乗る私の命
その時初めて針動く
色んな針が動きだし
私の行先、決めていく
自分の意思で、決めていく
〜シロツメ ナナシ〜
259
『靴紐』
不器用ってのもある
そんな自分が
人生 序盤のBOSSと言っても過言ではない
それが 靴紐
あまりにむすべ無さすぎて
一時期はマジックテープの靴を
買ってもらうことを懇願したことさえある
その時 歴史が動いた
親は 靴紐を買った
そこからは毎日……
泣きながらの修行の日々
まずは紐を結ぶことそのもの
いや……もっと前の段階だ
そもそもその時の自分には
「結ぶ」と言う概念が存在しなかった
紐で「そういう様子のもの」は
全て「絡まってる」んだと思ってた
紐を交差させて下や上から通して
この時初めてから結びを知り、
同時に「結ぶ」と言う概念の種が目を出した
ここからがさらに
地獄に突き落とされる……
新たなる派生の概念…、
「リボン結び」
まさに
訳が分からなかった
輪っかにする?
バッテンにする?
さっきまでの「結ぶ」ができてるよ!?
……なのに、また「結ぶ」の??
しかも違う方法?
投げ出したい……
逃げ出したい………
だが逃げられない………
そこから更に
自分との戦いが始まった―――
靴と向き合うと、
結べるようにはなったのだ
だが……
できるようにならなければならないのは
そう、靴を……履いたままで
リボン結びが出来なければならない
教わる向き? 利き手の関係?
鏡にやって見る?やり方が逆?
合わない意思疎通を
これでもかと、これでもかと、
お互いに泣きあいながら……
そして、ついに……
できた!
見事な輪っか!長さも均等!
バランスの良さ!完璧!!
…………………ん?
……む、……向き?
……輪っかの??
……それは、縦になっていた
もういやーーーー!!!!!
泣いてやるーーー!!!!!!!!
―――――――――許されなかった
〜シロツメ ナナシ〜(記憶体験記)
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『答えは、まだ』
勝ちにこだわる人生で
負けたくなくて走ってた
優越感に浸りたく
劣等感に悩まされ
何が大事かわからなく
何を持って、何を手放し、
白黒思考が私を襲う
上も下もキリがなく
私はますます失ってく
宝を見つけど幻影で
宝を見つけど贋作で
宝を見つけど廃れていき
宝を見つけど逃げていく
欲しい欲しいと思ってきたのに
手に入ったら嬉しいのに
数時間後には虚しくなる
私のホントに欲しいもの
どこにあるのか分からない
探せど探せど見つからない
掴めど掴めどモノ足りない
さらにさらにさがしに行く
いつしかそれも限界が
私の足は動かない……
辛くて「探す」が出来なくて
―私は世間に取り残され―
そう感じる日々が待っていた
―――だからこそ
私は探し始めることが出来た
私は何が好き?
私は何をしていたい?
私は何に幸せを感じる?
私はどんな時が嬉しい?
「私は―――」という質問
ありきたりで、当たり前なのに、
とても大切で重要な質問を、
私は私にしたことがなかった
ただ、「今の私」には
すぐにその答えは出そうになかった
「私の好き」という気持ちは
今は完全に枯れきっているような
そもそも好きややってみたいの
気持ちを基準に生きてなかったから
正直……今の私には
怖くてたまらなかった
勝敗、優劣、損得、白黒、
そういうのばかりを選び、進み、
今日まで生きてきた私には、
―――気持ちを優先にしたものを選ぶ
頭で考える分にはなんともない
だけど……、精神的に怖がっていた
具体的な答えは、まだ全然ない
……それでもいいのかな?って
私は歩き損ねてた
自分の楽しいのための道を
私は育て損ねてた
自分の好きの気持ちの種を
こんなことしててなんになるんだろ?
っていう疑問が、
「今までの私」が
「今の私」に突きつけてくる
怯えてるから……だと思う
―――大丈夫
その先に、この中に、
見つけたかった何かが
ちょっとずつ分かってくるから
〜シロツメ ナナシ〜
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