『ページをめくる』
私の物語は、止まっていた
次のページをめくれない
厳密には
止まってるわけじゃない
…………つもり
ほら、あるじゃん?
あれから数ヶ月―――、とか
―――もう何年経っただろうか、とか
私のたってる場所(ページ)が
まさにその部分
カッコつけて言うなら
さなぎが蝶々になろうとしてるような
変身や変化の最中のような感覚
……最近のアニメや漫画でもよく見る
修行のシーンとかああ言うの
そういう場面(ページ)って
大抵が端折られるか
いい所だけが取り上げられるか
それをいざ
自分がその立場になると まるで
その場面(ページ)でずっと止まってる感覚
下積み時代ってやつに当たるんだろうか?
まさに、小さな成功の積み重ねの
その最中―――
そして私がその間も、
私よりも早い人は早く成長するし
超える人はどんどん超えていく
さらに言えば才能は直ぐに開花する
私よりあとから始めた人たちが
私をサラッと抜いていく
その光景をもう何度見てきただろうか
その場面(ページ)に何回心が折れたか
その度に心が回復するまで頑張ったか
それはなかなか語られない
それを人には語りづらい
人に言えるほどの自慢にならない気がして
それでも私が頑張った事実に変わりは無い
今日も私は
私にしか読めない場面(ページ)を
胸にたくさんしまい込んでいく
いつか必ずやってくるであろう
「あれからどれくらいだったかな?」の、
たった1ページ
私が次のページをめくる日が
来る事を信じて重ねていく―――
〜シロツメ ナナシ〜
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その「私にしか読めないページ」を
いつも読んでくださるあなたへ
本当にありがとうございます
〜シロツメ ナナシ〜より
『夏の忘れ物を探しに』
何を忘れたのか忘れた―――
……ごめん、ウソ
別にちっとも忘れてない
忘れてないと言うよりは…
縁がない と、諦めてる
憧れたよ?私も
頑張ったよ?私だって
真剣に向き合ったよ
だけど、
出来ないものはできなかった
ネット漫画みたいな学校生活
じゃなくても良かった
むしろそれは私には荷が重いから
誰もが1度は思い描く
日記に書くような、
想像できてしまうような、
学園モノギャルゲーみたいな
そんな王道中の王道
お手本と言ってもいいような学校生活を
私も、おくってみたかった
…今になって思った
王道って、
本気で通ろうと思わないと
全然通れもしないんだなって
ネット漫画みたいな学校生活って
想像以上に私には大変なんだって
どっちも今になって、やっと理解した
だから私は
いつからだったろうか?
私は私の通った学校の近くを
時々散歩してる
私は私のおくりたかった
王道中の王道の学園モノの書き物をしてる
いいねはほぼない
ないけど、気づく人は気づく
王道すぎるのに これが出来ない…と
そんなコメントが私の元にも届く
9月に入り、
学生さんも二学期が始まったのだろう
朝はたくさんの学生さんとすれ違う
私は今
私の夏の忘れ物をこの学校に
少しずつ取りに帰ってきている所
学校を外から見ながら
かつての私を思い出し
その生活に、
ほんの少しだけ
今の私が書き足して
あのころ送りたかった
私の理想の
誰もが思い描くような
王道の学校生活を
それを文字に綴り
叶わなかったあの人生を
少しずつ膨らませながら
今、違う形で叶えてる―――✍️
〜シロツメ ナナシ〜
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『8月31日、午後5時』
やぁやぁ、お疲れ〜
神様みたいな誰かだよ〜
まぁ実の所、
千里眼や千里聴的なのを体得した
ただの人なんだけどね〜
ボクはこの国をね
のんびり眺めるのが
唯一の楽しみなんだ〜
8月最後の黄昏時
この時もね、
たくさんの声が聞こえるんだよ
月末のみに流れる
特別なテレビやラジオ番組
それを聞くと時の速さを痛感する声
今年も もう2/3が過ぎたと嘆く声
お盆休みも夏休みも
あらゆる休みが全部終わった悲しみの声
そしてなにより、
夏休みの宿題に追われる家族
この時はね、僕はきらいじゃないよ
この時ばかりは、
割と家族が一丸となって
究極の敵に立ち向かうでしょ?
そういうのって、
割といいなぁって思うんだ
まぁ全部の家には
当てはまらないらしいけど
さてさて、
残り少ない8月と言う時間を
楽しんでくれたまえ!
ん?ボクかい?
ボクはほら、
毎日が日曜日みたいなものだからね!
よーし、
これを聞かれたからには
ボクはそろそろ
逃げた方がいい気がしてきたぞ〜
じゃ!またね!
〜シロツメ ナナシ〜
248
『ふたり』
〜 一人の苦悩・二人の標 〜
―――人を信じる
この行為が いつからか
世界一怖い行為になった
怖くもあるし なにより
その加減が難しい気がする
どの程度信じるのか
どのぐらいの距離感か
自分の理想を押付けてないか
私は常に悩んでた
私と 誰か
私と あの人
私と あなた
私の悩みはいつも、人とのことだ
気の使いすぎ? 気にしすぎ?
……そうだとしても、とめれなかった
これが、私だから
これが私のデフォルトみたいだから
これを軸に、私は私を動かしていく
今の今は それしか無かった
今の 今までの自分を受け入れるのにも
相当時間はかかったし
今もまだまだ
受け入れきれてないところもある
悩んでいて思ったこと
私は常に、私と相談している
自分はここにいるのに
自分の中の自分と
自分と誰かのことを考えてる
どれだけひとりでいようとも
私はいつも 誰かを考えてる
ぁぁ、やっぱり人は…
ひとりじゃ生きられない
どれだけ孤独でも
どんなに避けても
いつも誰かを思ってる
それでもなんか…時々…
寂しいね―――
〜シロツメ ナナシ〜
248
『心の中の風景は』
〜星の図書館〜
「「バキッドカーン!!!」」
!?
おやおや、大丈夫ですか!?
随分派手な入室ですねぇ
屋根からここまで
一直線にぶち抜いて来るとは
ここが夢とはいえ
痛くないけど痛いでしょう
よいしょっと―――
……よし、
気持ちが整ったみたいですね
いやはや、
久しぶりに見ましたよ
「ダイナミックお邪魔します」は
星の栞を使った場合
大抵はテレポートのように
この図書館の周辺に着地したり
ふわっと飛ぶように
ここに来たりしますが…
っふふ、いえいえ、
あなたが大丈夫なら
ここも大丈夫ですからお気になさらず
まぁ今日は少し利用者さんがいますので
あなたは恥ずかしいでしょうけど
では 少々お待ちを
今、直しますんで―――(パチンッ)
さてさて、
今日はどうされました?
ダイナミックお邪魔しますを
しに来るぐらいには
なにか急いで調べたいことでも
あったんじゃないんですか?
―――ふむ
心の中の風景、ですか?
それはまた随分と
夢のあるような漠然としてるような
ふわっとした質問ですね
そうですねぇ
私から言えるのは それは
「全てが正解の世界」ですかね
見るのも、聞くのも、
掴むのも、叶えるのも、
楽しむのも、苦しむのも、
逃げ出すのも、向かえ打つのも、
滅ぼすのも、嘆くのも、
向き合うのも、酷いことするのも、
助けるのも、やっつけるのも、
治すのも、正すのも、
やり直すことも、消すことも、
ただ、私の場合は
それらの考えをその夢を見る人
あなた自身の中に
上手に吸収するお手伝いをするために
この星の図書館があると言った感じです
ただどうか、
人としての仁義だけは
忘れないでいて欲しいですね―――
それから、
言う必要もなかったので
特に言ってなかったのですが
実はこの図書館以外の外や景色っていうのは
一人ひとり見え方が全く違うんですよ?
景色が夜空な人
丘の上や草原の真ん中
不思議な街中に建ってたり
おおきな木の下に建ってたり
海の上や宇宙空間のような所にあったりと
皆さんほんとに、
ここの外を自由に想像していますよ
あなたも
その遊び心と自由を
悩みながら、向き合いながら
それをひとつずつ
良き方に持って行けることを
心から願ってますよ
もう行かれますか?
はい、また来るのを
お待ちしてますよ
……あ
ダイナミックお邪魔しますでも
私は構いませんからね〜
―――っふふ
〜シロツメ ナナシ〜
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