『ページをめくる』
私の物語は、止まっていた
次のページをめくれない
厳密には
止まってるわけじゃない
…………つもり
ほら、あるじゃん?
あれから数ヶ月―――、とか
―――もう何年経っただろうか、とか
私のたってる場所(ページ)が
まさにその部分
カッコつけて言うなら
さなぎが蝶々になろうとしてるような
変身や変化の最中のような感覚
……最近のアニメや漫画でもよく見る
修行のシーンとかああ言うの
そういう場面(ページ)って
大抵が端折られるか
いい所だけが取り上げられるか
それをいざ
自分がその立場になると まるで
その場面(ページ)でずっと止まってる感覚
下積み時代ってやつに当たるんだろうか?
まさに、小さな成功の積み重ねの
その最中―――
そして私がその間も、
私よりも早い人は早く成長するし
超える人はどんどん超えていく
さらに言えば才能は直ぐに開花する
私よりあとから始めた人たちが
私をサラッと抜いていく
その光景をもう何度見てきただろうか
その場面(ページ)に何回心が折れたか
その度に心が回復するまで頑張ったか
それはなかなか語られない
それを人には語りづらい
人に言えるほどの自慢にならない気がして
それでも私が頑張った事実に変わりは無い
今日も私は
私にしか読めない場面(ページ)を
胸にたくさんしまい込んでいく
いつか必ずやってくるであろう
「あれからどれくらいだったかな?」の、
たった1ページ
私が次のページをめくる日が
来る事を信じて重ねていく―――
〜シロツメ ナナシ〜
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その「私にしか読めないページ」を
いつも読んでくださるあなたへ
本当にありがとうございます
〜シロツメ ナナシ〜より
9/2/2025, 10:39:54 AM