『こぼれたアイスクリーム』
野生のたぬき?キツネ?
何者かが食べたあと
それを更にカラスが食べに
更にその残りのところに
ありが群がっていた
……のだろうか?
誰かが落とした
アイスクリームの
そんな形跡
そんな何気ない
ただの日常の中の
ほんのちょっと珍しい一コマ
〜シロツメ ナナシ〜
234
『やさしさなんて』
やさしさ
それは性格じゃない
心の魔力
みんな使える魔法
やさしさは
心のパロメーターにもなる
魔力が多い時
初めて自分に、
そして人にもやさしくなれる
自分にやさしく出来るからこそ
ひとへのやさしさや愛が生まれる
魔力が枯渇すると
心が反転してしまう
ひとの回復魔法で
傷つくこともたまにある
それは
あなたがわるいわけじゃない
むしろそれは優しさの表れ
自分に使うための魔力を
相手のために使い続ける人だから
心の魔力が枯渇して
人のやさしさが辛くなってる証拠
まずは、使って欲しい
自分に向けて使って欲しい
自分のやさしさが溢れた時に
初めて人に使ってあげて
まずはあなたに
使ってね
あなたもあなたに
愛されるべき人なのだから
そして、
あなたがあなたに向けたものと
同じだけのやさせさを
「使いたいと感じた時」だけ
程よく使ってあげて欲しい
そうして初めて
世界にやさしさの輪が
広がっていくから
〜シロツメ ナナシ〜
233
『風を感じて』
〜自分軸の始まりの始まり〜
―――いつからだろう
褒められたくて頑張った
認めて欲しくて頑張った
勝ち取りたくて頑張った
負けたくなくて頑張った
ひとに言われて頑張った
―――いつからだったのだろうか
…ずっとどこにも、
自分の軸がないことに
私はちっとも気づかなかった…
今だってよく分かってない
無いはずがない!…そんな感じ
そして………
頑張っても褒められなかった
頑張っても認められなかった
頑張っても勝ち取れなかった
頑張っても負けてしまってた
頑張ってたのは…だれのため?
心はバキバキ 折られていた
折れて折れて、また折れて
周りも自分も責めていた
責めて責めて、また責めて
心のやり場が分からない
吐出し吐出し、また吐いて
吐き出し疲れて自分に問う
ありきたりなそんな問い
私は一体、何がしたい?
私は一体、何が好き?
私は一体、何がイヤ?
私は一体、どこ向かう?
問いて問いて、また問いて
応えはなんにも返ってこない
問いて問いて、また問いて
やっぱり応えは返ってこない
聞いた聞いた、ただ聞いた
心の声を、ただ聞いた
声はなんにも、聞こえない
それでも私は聞き続ける
聞いた聞いた、ただ聞いた
「今の私」を、ひたすら聞いた
聞いて聞いて、また聞いて
生きる心と本能に
応えは言葉じゃなかったから
理由は一旦 置いといた
「なんとなく」に 身を委ね
気の向くままに 動いてく
「なんとなく」を 辿ってく
行きたい場所は 足に任せ
にがてなものは ただ逃げた
すきかどうかは 置いといて
気の向くままに 動いてく
比較や優劣 心が痛い
それもそのまま感じてみる
悲しい苦しい… 頑張った
寂しい悔しい… 頑張った
堪えた怒った… 頑張った
我慢し抑えて… 頑張った
わたしはずっと 頑張ってた
自分以外の誰かのために
私は私を押し殺し
誰かのために頑張ってた
殺して殺して 押し殺し
今の自分が 迷子になるほど
だから今は、命に聞く
あなたの好きは、なんだろ?と
理由は別にいらないから
なくていいから選んでね
好きな理由は なんとなく
始めてみたのは なんとなく
行きたい理由は なんとなく
辞めたい理由は なんとなく
目に止めたのは なんとなく
「なんとなく」も立派な理由
「わたし軸」な、立派な理由
初めてそれで動いた時
私の風を感じてた―――
〜シロツメ ナナシ〜
232
『夢じゃない』
文明の目覚しい発達があった
崩壊したままの場所があった
大自然に溢れる世界があった
砂だらけの砂漠地帯があった
四季を感じられる国があった
万年おなじ気候の国があった
お腹いっぱい幸せな子がいた
何も食べれず空腹の子がいた
盗みが犯罪な世界があった
盗みを教える世界があった
戦いもなにも無い世界があった
武器が当たり前の世界があった
文字の書き方を教える人がいた
戦場の勝ち方を教える人がいた
水道を捻れば水が飲める世界があった
井戸水も汚れて飲めない世界があった
明日を夢みて布団で眠る子がいた
今夜が怖くて怯えている子がいた
朝日が昇る世界があった
朝日が昇る世界があった
どちらも存在する世界
どちらも、夢じゃない世界―――
〜シロツメ ナナシ〜
231
『心の羅針盤』
ポケットに手を入れた
やっぱり壊れた羅針盤
そっとしまって問いかける
もうひとつの羅針盤
「もしも今 死んだなら―――」
…ちょっと不穏な問いかけを
だけどこれは大切で
今もし私が消えたなら
後悔すること探してみる
最期に食べたいもの探す
最期に行きたい場所探す
最期にしゃべるヒト探す
愛してみたいモノはある?
試しときたいことはなに?
配信・投稿 してみたい?
犬や猫と過ごしたい?
誰か人を愛したい?
最期に吹っ切れ 思い切り
手放したい ものや事や人はある?
命を捨てるその前に
今 出来ることや 見たいもの
やっと来たいこと 触れたいモノ
ひとつ、ひとつと、探してみる
ポケットに手を入れた
私の心の羅針盤
やっぱり壊れた羅針盤
それが治るその日までは
今は 「命(いのち)」に聞いてみる
「無意識レベル」に聞いてみる
「もしも今 死んだなら―――」と
もしも心も迷ったら
問いても応えがない時は
命が知ってる かもしれない
教えてくれる かもしれない
押さえ込んでた ホントの音
進みたかった 方向が―――
〜シロツメ ナナシ〜
230