シロツメ ナナシ

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8/7/2025, 1:56:37 PM

『心の羅針盤』


ポケットに手を入れた
やっぱり壊れた羅針盤

そっとしまって問いかける
もうひとつの羅針盤


「もしも今 死んだなら―――」


…ちょっと不穏な問いかけを

だけどこれは大切で
今もし私が消えたなら
後悔すること探してみる


最期に食べたいもの探す
最期に行きたい場所探す
最期にしゃべるヒト探す

愛してみたいモノはある?
試しときたいことはなに?
配信・投稿 してみたい?
犬や猫と過ごしたい?
誰か人を愛したい?
最期に吹っ切れ 思い切り
手放したい ものや事や人はある?


命を捨てるその前に
今 出来ることや 見たいもの
やっと来たいこと 触れたいモノ
ひとつ、ひとつと、探してみる


ポケットに手を入れた
私の心の羅針盤
やっぱり壊れた羅針盤
それが治るその日までは

今は 「命(いのち)」に聞いてみる
「無意識レベル」に聞いてみる

「もしも今 死んだなら―――」と


もしも心も迷ったら
問いても応えがない時は
命が知ってる かもしれない
教えてくれる かもしれない

押さえ込んでた ホントの音
進みたかった 方向が―――


〜シロツメ ナナシ〜
230

8/7/2025, 6:13:15 AM

『またね』
〜「気持ち」の断片〜


あの日あの時のこと
「また今度ね」と書かれた
頭の中の箱の中には
放ったらかしにしすぎて
ひとつひとつの内容、
細かいことは
もうほとんど覚えてないくて
「それ」を思い出すのは
今の自分には自力では
できなくなってる
きっかけがあれば思い出すかもだけど…

それでも確かに残ってるもの
それは当時の
「やり場の無い気持ち」や
「言いたかった本音達」
感情だけは心に蓄積されていた
悲しみ、悔しさ、やるせなさ、
怒り、我慢、寂しさ、
さらには
あの日 言ってしまいたかった本音

これらの想いだけが
ずっとそこに残ってしまってて
心の余裕や余白を奪っていた


些細なことでいらいらしたり
わけも分からず泣いていた日

私の本音が言葉を無くしながらも
ずっとずっと「私」に訴え続けていた
ようやくそのことに気づき
私は過去のことに目を向けた
長い時間をかけて
懸命に押し込めまくってた
「また今度ね」の箱の中と
やっと自分と向き合い始めた


――――――おまたせ、私

泣いてるの?
いつかは忘れたけど…
きっと言われて悲しかった「気持ち」

怒ってるの?
どのことか忘れたけど
きっとされて我慢しちゃった
無理や痩せ我慢をしていた「気持ち」

悲しいの?
いつの日だったか…
人といるのに独りに感じた「気持ち」

不安なの?
これは常に感じている
人には相談がしづらい、
自信が無いと言う「気持ち」

言いたかったんだよね?
これは多分あの日のこと…
言いたいけれど傷つけるのが怖くて
言い出せなかった時の「想い」

頑張ったんだよね?
これは日頃の些細な努力
当たり前を頑張ったんだって
認めて欲しかった時の「思い」

気づいちゃったんだね?
これは分かる
自分には無理なんだと
心の奥の奥に押し殺してたのに
自分と他人の今の在り方や生き方を
見て聞いた時に感じた「理想の自分や夢」

後悔してるんだね?
これも……わかる
これらの事を我慢して
他人が不幸にならないために
ずっとずっと自分のことを
後回しにしてきちゃった日々への「後悔」



…本当に…ごめんなさい、
ありがとう
もう 大丈夫だから
もう 蔑ろにしないから
これからこそ
あなたを大切にしたいから
ずっと、一緒に―――いて下さい


〜シロツメ ナナシ〜
229

8/6/2025, 5:37:18 AM

『泡になりたい』


「……泡 みたいに、
 消えて…なくなりたい―――」


長い…長い沈黙
悩みに悩んだであろう
思い悩んだ表情

かつて
1番信じてる!と言ってくれた私にさえ
今ここで
もう一度信じなおさなきゃならないほど
言い淀むほどなのだから
その心の葛藤と覚悟は…
友がその一言を言うための心は、
この言葉の重みと勇気は、
一体どれ程のものだったのだろうか

今の友が抱えてる心の傷を
私は必死に想像することしか出来ない


口から全てが出てくるような嗚咽感か
心臓をナイフで刺されるような痛みか
ゾウに踏み潰されて死ねない苦しみか
水の中に何時間も入れられて生き苦しむか


その一言を発してから
私は

「……そうだったんだ」
私は色んな思いを込めて言った


少しして、

ゆっくり……


ゆっくり…………


友の表情が、崩れていく―――



その話す勇気からくる緊張から
本人的に開放されたからだろうか

友は大声で泣き出し、
怒涛のように思いの丈を話し始めた

最近あった辛いことから
言えなくて辛かった気持ち
過去からずっと押さえ込んでた考え方
自分や周りとの差
中には自分に対する
大小様々な不服もでてきたりもした

目の前に、
本来の友 がそこにいた

言い終え、聞き終え、
泣き疲れ、冷静になり

「……ごめん」と

なんで?

「酷いこといっぱい言った…」

それは自分にだけじゃないし、
自分もあなたに言ってきたことある
それが、怒りの感情に乗ってただけ

「……負の感情で
 八つ当たりみたいに言うなんて…」

怒りや憎しみは
負の感情なんかじゃないよ
列記とした人間らしい感情だよ
友はそれを今日まで
ほとんど使って来なかったから
そのコントロールが上手くないだけ

あなたに、人間に
負の感情なんか多分ないよ
その使い方が、
上手じゃない人がちょっと多いだけ

使ったら…ちょっと落ち着いたでしょ?

「……うん、ごめん」

ありがと がいいなぁ

「………あんがと」

あいよ


「…でも、どうして?」

なにが?

「…どうして受け止められるの?」

忘れた?
ちょい昔にこっちの気持ちを
受け止めてくれてるんだよ?
よくよく似た気持ちをね

「………そうだったっけ?」

そういうこと

あとこれもお返し

「…?」


世間が変わらないのが悔しいけど
―――でもお互い、
ひとつ 強くなれたかもね


〜シロツメ ナナシ〜
228

8/5/2025, 5:36:31 AM

『ただいま、夏』


心の春が終わってしまい
秋と冬が同時にあるような
そんな日々が続いていた

何日も何週間も
何ヶ月も何年も
ずっとずっとズタボロのまま
歩き続けてたような
そんな毎日

今もまだ引きずってる
解決したわけじゃないけど
僅かに顔を上げられる、
ほんのほんの少しだけ生まれた
心の余裕…といえない程度の
これは 諦め にも近いかもしれない

ひたすらに時間が必要だった

夏の青空の綺麗な色が
やっと少しだけ
感じれるようになってきた


……ただいま、夏

やっと空や海の綺麗さ
暑さの楽しみ方がわかってきたよ

だけど私、秋の方が好きだから
夏は程々でいいからね

けど、気づかせてくれて
ありがと


……今なら、
少しだけ…次に進めるかな?


〜シロツメ ナナシ〜
227

8/4/2025, 6:28:07 AM

『ぬるい炭酸と無口な君』


今日も35度を超える猛暑日

そんな日ついに、


エアコンが壊れた……


どこにも行きたい気分じゃなかった

とにかく暑さを避けるため

1.5ℓの冷やしたコーラを部屋に置き

部屋の中でゴロゴロ過ごす


一応直すように頼んだが

やはり業者さんも

作業に追われる日々らしく

何日かかかるらしい


ダメもとでできることをやって見る

リモコンの電池は新しいのが入ってるし

きちんと動きもしてる

エアコンのフィルター掃除

手の届く範囲で根詰まりっぽいのがないか

コンセントも繋がってる

汗だくになりながらそれらを済ませ

一縷の望みを託し

リモコンを押してみた―――


君は何も言わなかった

…仕方なく、コーラを飲み干す


…………ぬ、ぬるい……


〜シロツメ ナナシ〜
226

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