『春爛漫』
「やは〜!凄かったね〜桜並木〜」
あぁ、まさに
千本桜ってやつだったよな?
「山並みが青々としてて凄かったー」
綺麗な緑だったよなぁ、
めっちゃ深緑って感じでさ?
「あの菜の花畑も凄かったよね〜」
んー…それなぁ。
「ん、なに?何か気になる?」
まぁ…ちょっとな?
「なになに?」
いやぁ……ほんとにあったのかなぁ
って、つい思っちゃってさ?
「そう?でも今回のは
過去のデータから忠実に再現した
1番再現度の高いやつだったってよ?」
そりゃ分かってるつもりだけど…
やっぱり信じるのは難しくてなぁ〜…
水場の生活が長いとさ?
「まぁ、わかるよ?わかるけど、
えーでもでも、桜とかは
めっちゃ信じてるよね?」
あーそっちはな?
そっちはほら、
海底を探査したら
実際に見つかってるじゃん?
だから、あー あったんだなぁ
ぐらいには思えるからさ?
「でも菜の花は実感無い?
資料も沢山見つかってるんだよ?
この光景がかつての日本に
存在してたってのがいっぱい!」
なんだろうけど…俺はどうしてもな?
ちょっとでも痕跡やらなんやらが
残ってないとなると…、
否定はしないけど
信じる気になれなくてなぁ〜
「んー…まぁ…そうだねぇ
それじゃあ しょうがないか…
ぁ、じゃああそこ行ってみる!?
大地にある、大陸資料館!
最近見つかったらしいじゃん!
過去新種の花の種と花粉が!」
あーあのニュースな?
まぁ、確かに…
ちょっとは気になってたかな
「でしょでしょ!?
もしかしたらそれこそ
菜の花かもしれないじゃん!」
だといいけどなぁ〜
「ね?ね!?
今から行ってみようよ!」
んー…まぁいいか
んなら出かけてみるか
「やったー!
じゃあ船、準備してくるねー!」
スーパーホログラムの再現…
めっちゃすごかった。けど〜……
ん〜…やっぱこの目で実際に見ないと
なかなか信じられないよなぁ〜
桜でもなんでも
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ここは、
水の惑星、地球
西暦3030年
世界は95%以上が
水(海水)となっている
ノアと呼ばれる超巨大な
いわゆる潜水艦や船こそが
国であり、世界であり、
そこに人々の
家や学校、施設など
そこに普通の暮らしがある世界
その水の下には
海底都市と言われる
かつての世界が、
静かに眠っている―――
人々は夢見ている
いかに文明が発達していても、
桜並木や菜の花畑など
春爛漫と言われる光景を
その本物をまだ見た事がなかった
これは、
そのかつての世界を夢みて生きる
そんな人々のお話
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〜シロツメ ナナシ〜
『七色』
赤い命を燃やし生き
あなたの幸せ、見つけてほしい
その人生を 命を全うしてほしい
橙色の喜びを
この世界で感じて欲しい
あなたの感情、鮮やかに
黄色に眩しい自信を持って
どこまでだって進んで欲しい
未来はまだまだ決まってない
緑豊かな癒しで包み
包容力と愛情を
育んでほしいその心で
青い気持ちを忘れてない?
あなたは自分を出して良い
藍の中に見つけたもの
あなたが見つけるそれこそが
あなただけの真骨頂
紫見つけたその時に
目覚めるあなたの新たな力
まだ見ぬ自分がまだまだある
あなたの中に溢れてる
七色持って、生きていく
もしもどんなに小さくとも
虹を見つけたら、教えてね!
〜シロツメ ナナシ〜
『記憶』
人の記憶の特徴は
負の記憶を覚えやすい
これは人の本能で
危険を避けるための業
だけどこれがありすぎて
生きづらいと言う人も多い
光景、景色、文字、
人柄、音、さらには匂い
特に匂いはとても強い
1番の記憶と結びつく
恐怖が人を襲いだし
動けなくさえしてしまう
先が分からないから怖い
未来という名の恐怖と化す
だから人は探したい
手を取り抱きしめ会える人
ヒトはひとりじゃ生きづらく
硬い絆が欲しくなる
人を探して も一度信じ
好きや愛を育んで
寄り良い自分に進化する
頑張るあなた
信じるあなた
どうか私と―――歩んで欲しい
〜シロツメ ナナシ〜
『もう二度と』
私は知らなかった
謙虚も過ぎれば毒となること
どんな小さな達成も喜んでよかった
どんな些細な悲しみも泣いてよかった
どんな身近な幸せも感じてよかった
どんなに、当たり前でも―――
私はもう
無理して自分を抑えない
悲しい時は泣く
嬉しい時は喜ぶ
苦しい時は休む
楽しい時は笑う
悔しい時は気持ちを出す
それを全て…
良い形で出していく
それが全部、
明日の私のチカラになるから
世界の基準が高いから…
ついどうしても 無理をしてでも
謙虚に居なきゃと 思ったけれど
私にとっては合わなかった
世界の基準は一旦無視!
私は私を喜ばせる!!
私は私を出していく!
ごめんね?私…
ずっと苦しかったもんね?
だからずっと…ずっーと……
動けなくて、苦しかったもんね
もう二度と―――
自分を ないがしろにしないから!
〜シロツメ ナナシ〜
『曇り』
真っ直ぐな目
その純粋な瞳で
あなたは何を見ているの?
私の心?
私の魂?
私の未来?
あなたには見えてるの?
その曇りなき眼は
私の目は曇ってしまった…
この曇りを晴らして欲しい
雲の出処を見て欲しい
あなたのその真っ直ぐな目で
〜シロツメ ナナシ〜