『願いが1つ叶うならば』
はっはっは〜
私はどんな願いも叶える
スペシャルな魔法のランプの精霊〜
「割と雑で要素モリモリやな」
良いじゃん!スペシャル!
「んで、願い叶えてくれるって?」
まあ無理なんだけどね?
「ですよね〜知ってた、
んでなに藪から棒に、願い?」
ん〜、いやね?
もしもたったひとつだけ
どんな無理難題でも願いがひとつ叶うなら
私は何を願うかなぁって思って
「それでスペシャル?」
そうスペシャル!!
だってスペシャルじゃないと、
普通の魔法のランプとか
願いを叶えるボールだと
少し制限があるでしょ?だから!
「ぁーあったなぁ…、
人殺しはできないとか
神を超える力は叶えられないとか」
というわけで、何かある?
とりあえずなんでも言ってみてよ!
「んじゃ…鉄板のだと…
不老不死とか?」
あーわかるけど、私は反対派なんだよね…
「なんでさ?」
だって…若いって魅力的だけど
死ねないって……なんかね?
それはそれでなんか怖い……
みんなが先にいなくなって
ひとりぼっちになりそうだし、
もしも心を病んだら、
ずっとそのまま苦しいままなのかなぁって
「ぁーそう言われるとたしかに…
んなら、不老ならいいんじゃね?」
あーそれはありかも…!
んじゃ他には?
「そうだなぁ…
他には…誰でも空飛べるとか?」
お!いいね!どこでも自由自在!
お外の窓拭きもできる!
あーでも……今はちょっと怖いかも?
「?空飛ぶのが?
まぁ確かに高いとこ怖い人からすると
飛んでて落ちないか不安になるか…?」
それもだけど…
なんか、色んな悪用する人多そう…
覗いたりとか…
「すまんこっち見んな…」
あと、飛んで電線に引っかかったりとか
戦いに悪用しそうな人も出そうで…
「…そう言われるとちょっと心配だな…
高さ制限でも設けるか?」
それだともはや
飛ぶ必要がなくなりそうだね……
「……だな。
ん〜〜〜!あとは…
それこそ蘇生を考えたけど…
それは若い人限定にしたいよなぁ…」
ね〜?寿命迎えた人は
ちょっと可哀想だもんね…?
「……個人的には、
戦争が無くなるとか
今この世に存在する
全ての病気を消してしまいたい…
ぐらいは叶えたいかなぁ…」
あーたしかに、
それなら良いかもね?
どれも見てて悲しいもんね…
「……病気は…お前もだろ?」
……え?
あー…うん。
「……早く良くなれよ?」
……ん!がん!ばり!ます!
「(……だから、どんな願いも…か…
ほんとに……強いやつだよ…お前…)」
〜シロツメ ナナシ〜
『嗚呼』
皆さんは――
いえ あなたは―――
心が揺れ動いた瞬間
覚えていますか?
いわゆる エモい ってやつですかね
それはなんでも構いません
幸せから 苦しい事まで
とにかく感情を自分で
抑えることが出来なくなるほど
心や気持ちが揺れ動いた瞬間です
好きな人やモノに出会った時
綺麗な景色を見つけた時
大切な人達との別れの時
傷つけられてしまった瞬間
悲しみを止められなくなった時
心の本音や気持ちに気づいた瞬間
この世の大きなものごとから
あなただけが感じ取るモノまで
その全ての中からひとつずつ
たくさん感じる人もいるでしょう
ほんのすこしの人もいるでしょう
そのどちらにも良さがあり
そのどちらとも素晴らしい
あとはあなたがどちらが得意か
たったそれだけの事です
もし良かったら
その中からひとつだけ
聞かせて貰えたら 幸いです
〜シロツメ ナナシ〜
『秘密の場所』
そこは
だれもこない
ジャマはだれもこない
こっそり 行って
ちょっと 飛んで
もひとつ 飛んで
身を ひそめれば
けづくろいのし放題
忘れた頃に探しに来る
主の視線は オレのもの
撫でて来る手も オレのもの
目の前すぐに 手が届く
時々噛んで 恩返し
声を出して喜ぶから
寒くないし ジャマもない
それでも気配も感じれるから
寂しくないし ひとり時間
ここがオレの 秘密の場所
〜シロツメ ナナシ〜
『ラララ』
レ「……?なんか聞こえる…」
カ「ん〜♪」
チ「ラララ〜♪」
カ「やっぱりチーユの毛づくろいが
1番上手いなぁ〜」
チ「そう?ありがとう~♪」
レ「(なるほど、チーユが
カークル [カーバンクル]の
毛づくろいをしてたのか…)」
カ「お?レイ~、なんだい?
もしかして羨ましいかい??」
レ「んな…!………べ、ベツニ?」
カ「間が長いなー、正直だねぇ~」
チ「あらあら// では、
レイの髪も…と、ときましょうか?//」
レ「え…! あー…あだ、
大丈夫!大丈夫!」
チ「そうですか…あら?
それよりなにか御用で?
ぁ、もしかして……
もう出発時間でしたか!?」
レ「あー違う違う。なんか
歌声っぽいのが聞こえたから
それでつられてきただけ
まだ時間あるからいいよ?」
カ「んじゃチーユ!続き〜」
チ「はいは~い♪」
レ「(……ほんと、あんなこと…
あったあととは思えない精神力…)」
カ「ん〜〜〜♪極楽〜♪」
チ「っふふ、あったか〜い♪」
レ「(…………くっそー!ウラヤマ!!!)」
〜シロツメ ナナシ〜
『風が運ぶもの』
今年もこの時期か…
と、国全体が悩まされていた
季節の風が運ぶものに悩まされる
この魔法が生きてる世界でも…
そう…あるのだ………
花粉症が……―――
[マナ花粉に悩まされるのだ――!]
だがこれは避けては通れなかった
この世界全土にある
―マナ植物―
全ての生き物の魔力に繋がるため
魔力の源と言っても過言では無かった
この植物は2種類存在し、
それぞれが年に1回
半年ごとに交互に起こる
つまり年に2回、マナ花粉が舞うのだ
そしてここにもまた、
マナ花粉に悩まされる者がいた…
ー某日ー
レ「いやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだぁーーー!!」
ミ「レーイ! 今年は逃げちゃダメ!
そのせいで去年とかが
もう散々だったでしょ!?」
レ「い、1ヶ月ぐらいの辛抱だろ!?
だったら我慢する!!」
ミ「そのせいで冒険どころか
生活もクエストも
もう散々だったでしょ!?」
―――そう、
冒険チームレイグループの
レイは
……マナ花粉症だった……
ミ「じゃあメリアさん、お願いします!」
メ「はいはーい、お任せ下さい♪」
レ「なんで!?第10王都と言っても
魔法治療にはたけてたはずだよね!?
なんでこの期に及んで注射なの!?」
チ「レイさん…お気持ちは
すごくよくわかりますけど…
マナ花粉対策の進歩はここ数年の
やっとの思いで見つけ出した話で
それもやっと都市である第一王都
それぐらい対策が
なかなか進まないんです…」
メ「でもさすが第10都市施設!
医療は第一王都と匹敵!
そも効くってだけ有難いんだよ?」
ミ「でもレイはほーんと、
昔から注射が苦手ねぇ〜」
チ「そこまで苦手なんですか…?」
ミ「戦闘では打撃も斬撃も
なんなら魔法も受けてるのにね?」
レ「それとこれとは違うんだー!!
注射は…注射はなんか違うんだ!」
メ「なんかね?異物が入ってくる
その感覚が やなんだって〜」
チ「ぁー…少しわかる気も…」
ミ「ほーら!観念して!」
メ「はい、じゃあ行きますよー?」
レ「ぎゃーーーー!!!!!」
ミ「ぁー…こうなったか…」
チ「(レイさん…注射する前に意識が…)」
メ「まぁアタシ的には1番楽かな?
んじゃさっさとやっちゃうね〜」
(プスッ)
チ「ちなみにメリアさん
効く期間はどれぐらいあるんですか?」
メ「1回すれば1年は持つよ〜
まぁ予防接種と思って来るといいよ
じゃあ次はチーユさんね〜」
ミ「ちなみに私は今年も大丈夫そう!」
チ「そうなんだ、私は受けてるから
大丈夫なんだけど、
ちょっと羨ましいなぁ」
メ「でも気をつけてね〜?
油断してるとなる人はなるからね〜」
ミ「はーい!
……くしゅん!!」
メ・チ「「……?」」
ミ「…はっ! ち、違う!きっと違う!」
ミントは今年は違ったようだった
なお、レイが目を覚ますのは
もう10分ほどかかったが
今後もこの調子とかなんとか―――
〜シロツメ ナナシ〜