『風が運ぶもの』
今年もこの時期か…
と、国全体が悩まされていた
季節の風が運ぶものに悩まされる
この魔法が生きてる世界でも…
そう…あるのだ………
花粉症が……―――
[マナ花粉に悩まされるのだ――!]
だがこれは避けては通れなかった
この世界全土にある
―マナ植物―
全ての生き物の魔力に繋がるため
魔力の源と言っても過言では無かった
この植物は2種類存在し、
それぞれが年に1回
半年ごとに交互に起こる
つまり年に2回、マナ花粉が舞うのだ
そしてここにもまた、
マナ花粉に悩まされる者がいた…
ー某日ー
レ「いやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだぁーーー!!」
ミ「レーイ! 今年は逃げちゃダメ!
そのせいで去年とかが
もう散々だったでしょ!?」
レ「い、1ヶ月ぐらいの辛抱だろ!?
だったら我慢する!!」
ミ「そのせいで冒険どころか
生活もクエストも
もう散々だったでしょ!?」
―――そう、
冒険チームレイグループの
レイは
……マナ花粉症だった……
ミ「じゃあメリアさん、お願いします!」
メ「はいはーい、お任せ下さい♪」
レ「なんで!?第10王都と言っても
魔法治療にはたけてたはずだよね!?
なんでこの期に及んで注射なの!?」
チ「レイさん…お気持ちは
すごくよくわかりますけど…
マナ花粉対策の進歩はここ数年の
やっとの思いで見つけ出した話で
それもやっと都市である第一王都
それぐらい対策が
なかなか進まないんです…」
メ「でもさすが第10都市施設!
医療は第一王都と匹敵!
そも効くってだけ有難いんだよ?」
ミ「でもレイはほーんと、
昔から注射が苦手ねぇ〜」
チ「そこまで苦手なんですか…?」
ミ「戦闘では打撃も斬撃も
なんなら魔法も受けてるのにね?」
レ「それとこれとは違うんだー!!
注射は…注射はなんか違うんだ!」
メ「なんかね?異物が入ってくる
その感覚が やなんだって〜」
チ「ぁー…少しわかる気も…」
ミ「ほーら!観念して!」
メ「はい、じゃあ行きますよー?」
レ「ぎゃーーーー!!!!!」
ミ「ぁー…こうなったか…」
チ「(レイさん…注射する前に意識が…)」
メ「まぁアタシ的には1番楽かな?
んじゃさっさとやっちゃうね〜」
(プスッ)
チ「ちなみにメリアさん
効く期間はどれぐらいあるんですか?」
メ「1回すれば1年は持つよ〜
まぁ予防接種と思って来るといいよ
じゃあ次はチーユさんね〜」
ミ「ちなみに私は今年も大丈夫そう!」
チ「そうなんだ、私は受けてるから
大丈夫なんだけど、
ちょっと羨ましいなぁ」
メ「でも気をつけてね〜?
油断してるとなる人はなるからね〜」
ミ「はーい!
……くしゅん!!」
メ・チ「「……?」」
ミ「…はっ! ち、違う!きっと違う!」
ミントは今年は違ったようだった
なお、レイが目を覚ますのは
もう10分ほどかかったが
今後もこの調子とかなんとか―――
〜シロツメ ナナシ〜
3/6/2025, 3:18:18 PM