Reme

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9/28/2023, 1:49:44 PM

別れ際に



世の中にはどうしようもないことがある


そんなことの方がきっと多い


自分がどれだけ声を出し

叫び

喚いても


誰一人耳も傾けず

希望と反対の方向へ進んでしまうこと



別れ際にあなたは言った


「君の思い出の中に

人生の中に

少しでも僕が居たのなら

それ以上幸せなことはない」


“いつの日にか 僕のことを 思い出すがいい”


昔流行った曲の歌詞が頭を過ぎる


さようなら

9/27/2023, 1:37:00 PM

通り雨



ある晴れた日の空から

急にぽつりと雫が落ちて

それが次第に増えていって
雨が降り出した


周りは慌てて
鞄や上着で濡れないように身を守り、雨宿りを探す

ほとんどの人がしかめっ面をしてる


だけど私には
その雨がきっと救いだった


一時の雨は、辺りを湿らし
潤いを与え

やがて虹を見せたのを覚えている


でもきっと、その虹は誰も知らない
私しか知らない


あの通り雨はあなた


私にくれた
唯一の光

9/16/2023, 4:19:46 PM

空が泣く


知らない番号からの電話だった。
だけどいたずら電話ではなかった。
出ると、電話の向こうの人の声はただひたすら冷静だった。
冷静というか、淡々と話していた。


その人とは正反対に僕は焦り、夢中で走った。


幸か不幸か、行き先の建物は近くで。
こんな近くに居たのに、何故こんな事が彼にだけ起こった?


どうして、どうして。
どうしてどうしてどうして。


せめて、せめて、最後の顔だけ見ることができたら。


彼の元へ着いた時は
彼の顔は布をよけないと見れない状態だった。


彼は、自分の知ってる彼か?
今自分に起きていることは?
声はどうやって出すんだったか?
涙はどうやって出すんだったか?


たった1つだけ分かったことは

いつの間にか空が泣いていたことだった。


Fin.


9/11/2023, 12:58:55 PM

カレンダー



気づけば、もう9月。
ついこないだ年が明けて、それから春が来て夏が来て
あと3ヶ月で今年は終わり、また年が明ける。

いつもそう感じるのは、ふとカレンダーを眺めた時。

もう月末か。
こないだ月が変わったばかりと思ったのに。


時々思うのは
カレンダーという月日を表すものを、いつ一体誰が考えて
作り上げたのかということ。
もちろん調べたら分かることなんだろうけど、もし誰も
そんなものを作らなかったら
自分たちはどんな日々をおくるのか。


月も日にちもないから、ただだらだらと生きるのか。

それとも時間を無限にあると思い、喜ぶのか。

それともいつ終わりが来るか分からなくて、怯えるのか。


このカレンダーという存在によって、自分たちは何かに
管理され、良くも悪くも生きているのかもしれない。

9/10/2023, 1:44:51 PM

喪失感



「元気でいてくれれば、それでいいよ」


彼が自分に求めるものは、それだけだった。

料理が失敗しても、
待ち合わせに遅刻しても、
くだらないことで怒ったりしても、
不機嫌でいても、
情緒不安定になっても、
嫌いだ、なんて言い放っても、

彼が自分に、ここを直して欲しいなんて一切言わなかった。


「健康で、元気に笑っていてくれるなら
それでいいんだよ」

「だって、人はいつ死ぬか分からないんだから」

「ただ、生きてくれれば、それでいい」


その言葉、そっくり今あなたに返すよ。




この喪失感と一緒に




Fin.

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