黒山 治郎

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1/7/2025, 11:58:00 PM

耳鳴りついでに勝手に背を押してくれるなよ
もう踏み出すつもりなんざなかったのに
全くもって要らぬ世話を焼いてくれたもんだ

背を合わせていたお前が先に逝っちまうから
背中が吹きっさらしに押されるんだろうが

追い風なんて御大層に呼ぶ気も起きない
臆した己を無機質に戦場へと追い立てる風は
盾にもなれねぇ無駄な体躯を嘲笑って刺す
ただの冷えきった突風でしかねぇんだよ。

ー 追い風 ー

10/3/2024, 7:42:54 PM

声だけを聴いた時は
なんとなく、足りないと思った

話し合えた時は
知れたことを、嬉しく想った

顔を合わせた時に
会いたかった人だと
漸く、そう腑に落ちた。

“巡り会えたら”に
可いが足されて
巡り会えた“か”ら
私達は成る可くして
縁が巡ってきたじゃないかと
互いに笑い逢えたんだ。

ー 巡り会えたら ー

10/3/2024, 7:30:19 PM

天鵞絨の様な艶やかな毛をなびかせて
私の数歩先をゆく、小さな君
こちらを見上げて目を細め
軽やかな声を聞かせてくれた君

叶うならば
もう一度、私は君とあの道を歩きたい。

ー 奇跡をもう一度 ー

9/25/2024, 4:27:29 PM

予約。
ー 窓から見える景色 ー

9/25/2024, 4:26:25 PM

人はソレを、炎に例えたり水に例えたり
電流や、土や、植物、果ては空気に至るまで…
数え切れない何かしらの比喩を用いて
長年にわたり輪郭を欲し続けている。

そして、限りなく質の良いソレは
幼稚な男が知ったなら、精神の成長を促し
大人びた女が知ったなら、幼さを思い出させ
時を経た実りは、手放し難い宝へと熟れ
これらを体感した人生の先駆者らは
まだソレを知る前の若者達へ
希望や戒めを少しでも遺そうと
新たな喩えを探すのだろう。

愛(ソレ)の別称は、現在も増えるばかりだ。

ー 形の無いもの ー

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