狼星

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11/11/2023, 11:21:17 AM

テーマ:飛べない翼 #361

飛べない翼なんてあっても仕方がない。
そう思うだろう。
人は誰しも生まれてくるとき翼がある。
まだ未熟で飛べない翼だ。
成長していくうえでその翼は折られたり
自分で折ったり、傷つけたりする。
でもその翼がまた生え変わり飛べる翼にする方法を
誰しも知っている。
それは努力して、やりたいことをやったとき
翼は飛べる本物の翼になるのだ。

11/10/2023, 11:41:58 AM

テーマ:ススキ #360

皆さんはお月見といえば何を思い浮かべますか?
お月見だんご?
うさぎ?
大きな黄色い満月?
それともススキ?

私は小さい頃、
祖父がススキを取ってきてくれたことを
今でも思い出します。
まんまるなお月さまを見て、
母と祖母が作ってくれた
お月見だんごを食べ、
父は月についての豆知識をおしえてくれて、
妹は
「わたし知ってる! 
 お月さんにはウサギさんが住んでいるって!」
そう言って目を輝かせる。
そんな過去を思い出すと
懐かしくてその時に戻りたくなります。
今はもう、同じ状況に置かれても
妹はウサギさんが住んでいるなんて言わないだろうな。

今年は一人、月見を楽しむ。
買ってきた月見だんごを手に
窓から見える丸い月を見る。
なぜだろう。
私の目に映る月はぼやけていた。

11/9/2023, 12:28:30 PM

テーマ:脳裏 #359

脳裏に焼き付くあの先生の怒った顔。
だからビクビクしながら、
明日のテストに向けて勉強するのだ。
……あぁ、明日も早く起きなければ。

11/8/2023, 11:49:10 AM

テーマ:意味がないこと #358

「意味がないことをやっても仕方がないんだ!」
僕はそう言われてきた。
だから意味のあることしかやってこなかった。
勉強をして遊びになんか目を向けず、
部活では誰よりも活躍できるようにベストを尽くした。

「楽しくなさそう」
そんな僕を見て誰かが言った。
思わず僕はその誰かを睨みつけた。
誰かはクラスの女子だった。
ツンッとしていて本を抱えていた。
睨まれても動じていなかった。
「意味がないことをやっても仕方がないだろ」
僕は彼女の本を見て言った。
彼女の持っている本は妖精と書いてあり、
いかにも非現実的なものに見えた。
彼女はそれでも僕に動じず、じっと僕を見て口を開く。
「この世界に意味のないことなんてないわ」
……は? 何言っているんだ。
僕はそう思った。
「それじゃあ、あなたの言う意味のないことって何?」
彼女は続けていった。
それは!!
僕は口を開き言葉を発しようとしたが出ない。
意味のないこと……?
そう考えてしまったからだ。
僕はそのまま空を見つめていた。
何でだ。
非現実的なものを信じている者に悩まされるなんて。
「わからないなら、その硬い頭で考えてみれば?」
彼女はそう言って立ち去った。
その場に残されたのは
『意味のないこと』が分からない僕と
冷たくなった空気だけだった。

11/7/2023, 11:25:46 AM

テーマ:あなたとわたし #357

「あなたとわたしどっちのほうがつよいとおもう?」
急に下の方から声がした。
見ると小さい5歳くらいの子がこちらを見上げている。
何だ? 
何かの謎掛けか?
「お嬢ちゃん。お兄さんたち忙しいんだ」
同僚がそう言ってその子を追い払おうとする。
その子はじっと俺を見ていた。
そう、彼女はじっと『俺だけ』を見ていたんだ。
「は……?」
急に同僚が吹き飛ばされた。
彼女に触れようとした瞬間だった。
1メートル……いや、2メートルは軽々とんだ。
「お嬢ちゃん、何者?」
俺は冷静に聞く。
「ねぇ、おにいさん。どっち?」
大きく見開かれた2つの目は俺を見ていた。
まるで『逃さない』と言っているかのようだった。
冷や汗が流れるのを感じる。
視線の向こうでは飛ばされ、
気絶している同僚が目に入る。
「お嬢ちゃんのほうが強い」
その子は少しの間俺を見て、
「おにいさんはわからないのね」
何事もなかったかのようにその子はその場を去った。
俺も吹き飛ばされるかと思ったが、
幸いにも彼女に吹き飛ばされることはなかった。
同僚よりも近い距離を彼女が通り過ぎたのに。

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