狼星

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10/16/2023, 1:07:54 PM

テーマ:やわらかな光 #337

やわらかな光につつまれていく。
こんなわたしでもてんごくにいけますか?
わたしはわるいこなの。
パパとママにおこられてばっかり。

パパとママがわたしをたたくのは
わたしがわるいこだから。
パパとママがなくのは
わたしがわるいこだから。
パパとママがごはんをくれないのは
わたしがいらないこだから。
パパとママがけんかするのは
わたしのせい。

だからわたしははやくてんごくにいきたかった。
てんごくってしあわせなばしょなんだって。
パパとママもてんごくにいったら
しあわせになれるかな。
ニコニコしてわたしにいいこだねって
あたまをなでてくれるかな。

なんだかあったかい。
そしてやさしい。
これがてんごく?


『◯月☓日午前△時。
 ◯◯◯ちゃん、5歳が自宅で死亡しているのが
 発見されました。両親は行方不明。
 ◯◯◯ちゃんの体には複数の痣があり、虐待の疑いが
 あります――』
「また今日も子供が亡くなった」
「そうね」
私は肩を下ろした。
テレビに映る画面の向こうで小さな子供が亡くなった。
そんな悲しいニュースが多数報道される。
「親は子供を守る責任を持って
 子供を生んでほしいものね」
隣でそうポツリと言ったのは人間じゃない私の同居人。
「今日は彼女の場所へ行く?」
「あぁ。上手く成仏していなさそうだからな」
子供は特に現世と隠世の狭間を行き来しやすい。
それを導き成仏させるのが私たちの仕事。
「さぁ。今日も行くわよ」
私は今日も働きに出る。
少しでも現世と隠世の狭間を
彷徨う者たちを減らすために。

10/15/2023, 12:52:10 PM

テーマ:鋭い眼差し #336

鋭い眼差しをおくる。
あなたのことが嫌いだから。

私の友達を『弱い人』といったから。
彼女は体が人より弱かった。
彼女は自分の思ったことを
うまく表現するのが苦手だった。
それでも彼女は人一倍努力していた。
人一倍悩んで苦しんで葛藤して……。
それを貶したあなたが私は大嫌いだ。
人を侮辱することがどれだけ醜いことか
人を表面上でしか見れないあなたを哀れに思う。

だから私は
鋭い眼差しをあなたにおくる。
あなたにはきっとわからないでしょうね。
私の怒りが。
憎しみが。

♡4100ありがとうございます✨

10/14/2023, 1:21:06 PM

テーマ:高く高く #335

高く高く目標を持ちすぎると
すごくすごく頑張らなくちゃいけない。
もっともっとやらなきゃ追いつかない。
追いつかれちゃう。
そんなプレッシャーにずっと追い込まれちゃうから。

私は私なりの
あなたはあなたなりの
ペースがあるから。

大きな壁は地道に登ればいいから。
あなたは一人しかいないのだから。
周りと比べないで。
自分を苦しめないで。

10/13/2023, 11:22:43 AM

テーマ:子供のように #334

子供のように無邪気で
純粋無垢なままでいれば得することも
あるかもしれない。
でもそれだけじゃ生きていけない。
バカ真面目になって
正義感を持って行動しても
特ばかりじゃない。
時には息を抜いて
不真面目になってもいいじゃないか。
子供のように。

10/12/2023, 11:05:31 AM

テーマ:放課後 #333

放課後、掃除をして帰ろうとして教室を出た。
しかし、数分後また教室へと戻った。
明日小テストがある教科があるんだったと思い出して。
教室には二人の男子生徒。
二人ともクラスのムードメーカーだ。
二人は身を寄せ合って勉強をしていた。
その内の一人、勉強を教えている方。
私が好きな人……。
私はあまり見ないようにして
ロッカーから教科書を取り出す。

チラッと見た時、彼と目が合う。
そしてなんとも言えない顔を私に向けてきた。
「何?」
私はそう言うと彼に近づいた。
鼓動が早くなるのと、顔が熱くなっていくのを感じる。
何故か彼は箒を持ったままだった。
「ここの問3」
そう言って指差したのは教えている場所のようだった。
あぁ、ここね。
「わかんね―」
そう言いながら教えてもらっている
もう一人のムードメーカー。
私はフフッと笑ってしまった。

「鍵返しておくから、帰っていいよ」
私がそう言うと教室の鍵を取る。
「あざっす」
そう言って電気を消してくれる彼。
足早に帰っていくその姿に焦がれている私。
これが青春でクラスメイトなだけと言わぬなら
この感情は何なのだろう。
教室の鍵を閉め、その鍵を握りしめた。

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