狼星

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4/3/2023, 1:26:55 PM

テーマ:1つだけ #142

1つだけ、願いが叶うとするなら。
神様は本当にいるのか、知りたい。
どうして神様は人間を作ったのか。
どうして神様は生き物を作ったのか。
どうして神様はこの世界を作ったの?

私というものは欲張りだ。
1つだけだといっているのに、いくつも疑問が出てくる。1つだけなんて勿体ない。
お金持ちになりたいとか、
家族が幸せになってほしいとか、
そういうことを願えばいいのに、
たった1つの願いを神様がいるのか、どうかのために使うだなんて、どうかしているかもしれない。
でも、
世界の平和を願ったりするよりも
誰かの幸せを願うよりも
私はこのことを思う。
だって、人間を作ったのは神様なのだから。

人間がなぜ不幸になるのかも
幸せだと感じないのかも
すべて知っているはずだ。
そんな神様がなぜ私たち人間を作ったのか。
私は知りたい。
知ったところで、私が変わることはないと思うが。

4/2/2023, 12:17:49 PM

テーマ:大切なもの #141

僕には大切な友達がいた。
その子はいつも、僕が入院する病院に通ってくれていた。いつも、お見舞いに来る。
友達と外で遊べばいいのに。
家でゲームをすればいいのに。
そう言うと彼は決まってこう言う。
「お前と一緒にいたほうが、何をするより楽しいんだよ」
その言葉を聞く度、嬉しい気持ちと悲しい気持ちが混ざり合う。
僕の病気はもう治らないらしい。
身体がどんどん僕の体を蝕んでいて、どうにもならないことを僕は知っている。
親はほとんど僕の様子を見に来ない。
弟や妹がまだ小さくて、僕よりも面倒を見なければならないからだ。
そんな僕のことを彼はいつも励ましてくれる。
彼が来るまでは、いつも外を眺めている。
いつもなら静かな病室。今日は違った。

『お前はもうすぐ○ぬぞ』
黒い服を着た、骸骨のお面を被った背の高い人がいった。いや、人じゃない。浮いている。
「誰?」
僕は音もなく入ってきたソレに言う。
『我は、死神』
「死神……か」
普通に見えていた。透けていたりもしなかった。
普通の人間みたいだった。
「何しに来た?」
『予知。と、お前の最後の望み、聞きに来た』
「『最後の望み』?」
『そうだ』
死神は釜を振って、人間の肉体と魂を切り離すのだと思っていた。『最後の望み』なんて聞いたことない。
『最後の望み。人の人生を左右するものはできぬがな』
死神は言った。
「僕は、そんなにすぐに○ぬの?」
僕はそう聞くと、死神は少し間をおき頷いた。
そっか、僕は死ぬのか。
僕は意外と冷静を保っていた。涙も出なかった。それはその日が近いと、なんとなく分かっていたからだろうか。
「すぐに答えを出さないとだめ?」
『否。お前の命が尽きるまで』
死神はそう言うとドアの方に目を向ける。
『客だ。ここは一度、退散する。願いは強く願えば我に届く』
そう言うと、消えた。

そこに入れ違いに来たのは、彼だった。
「僕、死神が見える」
そう言うと困惑した表情で僕を見る彼。カレンダーを見るとエイプリルフールだったから、冗談ということにした。でも彼は、僕が冗談じゃないってわかっていたんじゃないかな。
僕にとって大切なものは……いや、大切な人は。

彼が去った病室はいつも異常に寒くて、異様なほどに暗かった。僕は目を閉じた。
そこには闇が広がっていた。
『最後の望み、聞きに来た』
どこからかそんな声が聞こえた。姿は見えない。
声が出ない。そんなとき、強く願えば我に届く。という言葉を思い出した。
僕の願いは……。

届いたのか、今では全くわからない。
ただ、あの死神のことだからうまくやってくれそうな気がする。
『大切な友達がうまく周りに馴染めるように。そして、僕との大切な記憶を忘れないでほしい』と。

4/1/2023, 11:00:35 AM

テーマ:エイプリルフール #140

エイプリルフールって嘘付いて良い日なんだって。
僕は知らなかった。
入院している友達に会いに行ったんだ。
「僕、死神が見える」
そんなことを急に言われて、戸惑っているとクククって笑い始めた、友達。
「何、真面目な顔してんだよ。今日、4月1日。なんの日か知らない?」
「知らない」
僕がそう言って首を振ると、友達はフッと笑っていった。
「エイプリルフール、嘘をついていい日なんだぜ? だから死神見えるって嘘! な? そんな深刻な顔すんなって」
バシバシと僕の背中を痛いくらい叩く友達。
その顔は笑っていたけど、何処か苦い顔をしている。
それは本当に嘘だったのか、今ではわからない。

その日の夜。友達はこの世を去った。
急なことで皆、驚いていた。僕だってびっくりした。
でも、妙に納得していた。
友達がいなくなってしまったという事実はそこあるのに、まだ信じきれていない僕がいた。
それはその友達がこの世を去って、何年か経った今でも。
だってそれは、エイプリルフールの夜だったから。
友達がいなくなったなんて信じたくなかったから。
嘘なんじゃないかって。
またひょっこり出てきて、
「嘘だよ」って笑ってくれるんじゃないかって。
今でも期待している僕がいる。
エイプリルフールの夜になると、
決まって彼のことを思い出す。
もういないはずの彼の笑顔が思い浮かぶ。

3/31/2023, 1:07:14 PM

テーマ:幸せに #139

幸せってなんだろう
お金を持って
好きなものを好きなだけ買うことだろうか

幸せってなんだろう
いいもの食べて
いいところに住み、生活することだろうか

幸せってなんだろう


幸せになりたくて
幸せをつかみ取りに行く
それも一つだとは思う

私にとって
ここに存在していること
家族と当たり前のように住んでいられること
毎日笑顔でいられること
それが幸せだと思う

幸せは感じることが当たり前すぎて
普段は意識しにくいらしい
当たり前を当たり前としてとらえていると
失ったとき後悔する

身近な人に
わかっていても反抗してしまうことも
喧嘩腰になってしまうこともある

そんなとき
あまり時間をかけず
仲直りしてほしい
その人自身も周りの人だって
その雰囲気にのまれてしまうから

険悪な雰囲気はすぐに伝染する
風が通り過ぎるように
幸せだって伝染する
時間をかけてゆっくりと

この世界にいる人が
みんな幸せを伝染しあったらいいのに

3/30/2023, 12:29:08 PM

テーマ:何気ないふり #138

道で困っているお婆さんがいた。
みんなお婆さんが困ったことに気がついていた。
でも、声を掛けようとはしなかった。
気がついているけど
何気ないふりをして通り過ぎていく。
私もいつもならそうしていただろう。
今日は何故かそのお婆さんから目が離せなかった。

それはここにくる少し前、
私よりも小さい子が電車で
お年寄りに席を譲っていたのを見たからかもしれない。

他の席が空いていたのもあって、
そのお年寄りは断っていたけど、
その子の勇気を出した行動できっとあの人の心は
その子の思いやりの温かさを知ったのだろう。
本を読みながらも、
チラチラとその後のことを気にかけているようだった。


何気ないふりをするのは簡単だ。
知らないふりをして、他人事として考えるのは。
でも、それを乗り越えて
勇気を出した行動はその人だけでなく
周りの人の心までを動かすんだなと感じた。

私はお婆さんとの距離を縮める。
鼓動が早くなるのを感じる。
それでも私は距離を縮めることをやめなかった。
あの子が踏み出した一歩を私も踏み出そうとしている。
周りの目も気になったが、
それ以上にドキドキしていた。
私は勇気を出して話しかける。
「こんにちは。お困りですか?」
何気ないふりはしない。今、この一瞬だけでも。

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