人生まだまだ道半ば。
それでも振り返ってみれば、
どうやらずいぶん長い道を歩いて来たみたい。
飛び上がるほど嬉しいこともあった、
震えるほど悔しいこともあった、
挫折と諦めを知り、自らの過ちによって
失意のどん底に落ちたこともある。
昔、とっても羨ましく見えたあの人なら、
もっとスマートに生きられたのかな?
…でもね、
『この人生を乗りこなせるのは、
やっぱり自分しかいない!』
と、思ったり…
これって誇らしさ?
▼誇らしさ
今夜、僕らが出会ったあの海に行くことは、
ふたりだけの秘密だった。
波打ち際で君と佇む。
目の前に広がる真っ黒な海は、まるで墨を垂らしたよう。
沖から吹く生暖かい潮風が、頬を撫で、髪を梳かす。
握りあった手の温もりだけが、僕にとってのすべてだった。
「どうして、一緒にいちゃいけないのかな」
足下でさらさらと砂がさらわていく。
俯いた君の顔は見えない。
「このまま溶けてしまえたらいいのに」
届かぬ願いは波にかき消され、闇夜の空に吸い込まれた。
▼夜の海
ひたすらに青い空の下、ペダルを踏む足に力を込めた。
進む方向はいつだって、自分の手の中に握られている。
コンクリートがそびえ立つ街を抜けて、
脇を走る小川と競争しながら、
遥か向こうの蜃気楼目指して漕いでいく。
(どこまで行けるんだろう)
滲む汗を腕で拭った。
終着点を決めるのは、まだ早い。
▼自転車に乗って
誰だって、辛い事実からは目を背けたい。
やりたくないことは放っておきたい。
そうなんだけど、それじゃ前に進めない。
心の健康を保つには、
厄介事に真摯に向き合わなきゃ。
自分に出来る最善を尽くさなきゃ。
周りの人に、感謝しなきゃ。
そうやって、もがいて積み重ねた経験は、自信に繋がる。
経験に裏打ちされた自信を持っている人は皆、
魅力に溢れている。
それが、しなやかで強い、健康的な心を持つ人。
▼心の健康