プレゼント
「ん」
「え?」
突然目の前に差し出された右手を見て、俺は驚きを隠さず声に含ませた。右手には小ぶりの布袋が握られている。
「千空ちゃん、これなに?」
「...ん」
頑なに詳しくは話そうとしない彼はいつもとは少し違う様子だ。どうしたのだろうか。
手を差し出すとその上に布袋が置かれる。以外に重量が合って落としそうになるのを何とか堪える。
「見ていいの?」
「ん」
先程から「ん」しか発してない千空ちゃんは、どこか恥ずかしそうに、居心地が悪そうにしている。本当にどうしたのだろう。いつもの千空ちゃんらしくない。布袋を開くと、懐かしい形状の物が目に入る。
「......これ...」
それはトランプだった。1枚1枚手書きのマークに数字、ジョーカーもしっかりとついていた。
「なんで...」
「てめぇ前に欲しいって言ってただろ。...クリスマスプレゼントだ。ありがたく受け取りやがれ」
そっぽを向く千空ちゃんの耳が少しだけ赤くなっている。俺の心が温かいもので満たされる。
「...千空ちゃん耳真っ赤。赤鼻のトナカイじゃなくて赤耳の千空ちゃんだ」
「なんだそれ」
二人で目を合わせ、小さく声を上げて笑う。
明日の夜は、村の子供達のために一緒にプレゼントを用意しよう。約束だよ、千空ちゃん。
小説
迅嵐
「...疲れた...」
玄関のドアを開け中に入った途端、おれの口からは弱々しい声が漏れ出す。
今日は特に疲れた気がする。いつも通り町中を歩くと沢山の人の未来が視えた。
あ、あの人怪我するな。あ、あの人病気になるな。
ふと立ち寄ったコンビニで働いていた店員さんを視てしまった。
あ、この人近いうちに死んじゃう。
積み重なって積み重なって、疲れた。
視たくない。
でも視なければならない。
「......嵐山」
明るい太陽を求めた。靴を脱ぎ短い廊下を歩くと、リビングのドアが開く。
「迅、おかえり」
嵐山はおれの顔を見るとふわりと笑う。未来の中でも嵐山は笑っていた。笑顔で、楽しそうで、綺麗だった。
おれは無言で嵐山を抱きしめる。温かさを感じながら、めいいっぱい息を吸った。ほんのりとゆずの香りがして、今日の入浴剤はゆずだな、とぼんやり思う。
「......何か視えたか?」
「....うん」
「そうか」
そこから嵐山は何も言わずに頭を撫でた。髪の間を指が優しく通る度に疲れが癒えるようだった。未来の中の嵐山は変わらず笑う。その変えようのない事実がおれを少しだけ救ってくれる。
おれはしばらく温かな嵐山を抱きしめ、柔らかな指の感触を感じていた。
ベルの音
こりゃまた書きずらい!
諦め!
冬は一緒に
肉まんを頬張りたいね!
とりとめもない話
最近学校の友達としてない
逆に幼なじみとはしてる
学校の友達は何話しても嫌われそうで怖くて話せない
この気持ち分かってくれる人はこの世に何人いるんだろう