やばいまぐろ

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4/1/2024, 5:17:04 PM

「今日私死んじゃうかもよ?」
「えっ?」
俺はふとカレンダーを見た。4月1日。
「今日エイプリルフールだな。縁起でもないこと言うなよ」
「はぁい笑」

この日あいつの言った言葉に向き合ってやれば良かった。
冗談じゃなかったんだ。

毎年この日になると思い出す「今日私死んじゃうかもよ?」

死ぬなよ。ほんとに。あの日あいつが急に片付けしようと言ったのも何か理由があったのかもな。

あいつのことで片付けが長引いた。あいつが「この引き出しは開けないでね」って言った場所。
手を合わせてから開けた。引き出しの中には一冊の手帳が入ってた。
あいつの日記だ。最後のページには俺のことが書いてあった。

ゆうすけのことは好きでも嫌いでもない。
私恋愛向いてないかも…。てかあれ?私が死んだらこれ見られるのか笑
ゆうすけへ
今までありがとう。ゆうすけといる時は楽にいられることが多かったよ。ただ一人になりたいって言った時は一人にさせてよね笑まぁとにかく感謝はしてる。ありがとう。
あとごめんね。 まいより

知らなかったな。気づいてやれなかったな
俺はものすごく後悔した。
ほんとにごめん。

8/21/2023, 9:42:16 AM

『さよならを言う前に』
12月23日
私には大親友のマキがいる
マキは優秀でいわゆる出来る子だった。
マキから連絡が来た。
ーさよならを言う前にあおいに会いたい。ー
さよなら?どういうこと?何が何だか分からなかったけど、マキと会うことになった。
マキにーどこに行けばいい?ー

ー集合場所だった橋で会いたいー

ー分かったー


高校時代に集合場所だった橋に行くとマキが居た。
5年ぶりだろうか。親友といってもお互い時間が合わず会うことが出来なかった。

「マキ!久しぶり」
「あっあおい。久しぶり」
マキの顔は少し元気がなかった。

「どうした?」
「あのね…」
マキは話してくれた。
仕事でパワハラにあったこと、彼氏に浮気された挙句妊娠させられたこと、赤ちゃんを流産してしまったこと、お金が無いこと。
マキはその間も泣いていた。
「私ね、死のうと思ってる。だけど、死ぬ前にあおいに会いたかった。ありがとう。」
私は止められなかった。
「マキ!いつ死ぬの?」

「明日中には?かな」
マキは作り笑顔で言った。
「私も行っていいかな?」

マキはえ?って驚いていたけど、笑顔で「うん!」と言った。

12月24日
皆が笑顔で歩く中、私とマキも笑顔だった。
死に方を2人で考えた。その結果あの橋で死ぬことにした。意外と高くて湖もきっと深い。2人で死ねる。

「ねぇ、あおい!最後の記念に写真撮ろ?」

「うん!いや、動画撮ろ?」

ー【あおい】皆さんこんばんわ〜2人で今から飛び降りようと思いま〜す。 怖いけど、嬉しいよね!?【マキ】うん!【あおい】マキの彼氏さん。上司さん見てる〜?罪感じてくださ〜い!ー
それじゃあ12月25日12時00分
ー【あおい、マキ】せーのっー


この動画はたちまち有名になった。
この動画を見た人たちは皆、マキちゃんは男関係かな?とかもう1人の子の女の子の理由は?とかで盛り上がっていた。
最終的に私はマキに一緒に死のうと言われて一緒に飛び降りた説が有力として上がっていた。


違う。けど、まぁいっか。
さよならを言う前に言えて良かった。

8/20/2023, 9:35:33 AM

書いた……途中まで書いた。
消えた。書いた物語消えた。
今の私の心の空は雨模様………。

8/18/2023, 1:15:32 PM

『鏡』
私は可愛い。
昔から、家族に可愛いね、可愛いねと育てられ、自分でも自分は可愛いものだと思っていた。
友達も、クラスメイトも「うん。いつも可愛いよ。」って私には言ってくれる。
それに和室に置いてある全身鏡には細くて整った顔の自分がいたから、自分が可愛いことを疑うことはしなかった。
だけど、高校に上がると周りの目が変わった。
トイレに入ろうとすると、
「ねぇあの女の子いるじゃん!?」

「あ~2組の子?」

「そう!あの子結構ヤバイよね!!」

「自分のこと可愛いと思ってるんでしょ?あれで。」

「そう!相当イカれてるよね笑」

私のこと?いや、そんなはずはない。だって、私可愛いから。
そんなことを思っていたら、愚痴パーティを終えたその女子たちが出てきた。

「あっやっべwwwwww」

あからさまな態度をされた。私のことを言ってるに違いない。
何故か今まで、疑えなかった"自分可愛い"がさっきの子たちの会話で"可愛くないのかもしれないに変わった。"

いや、私は可愛いの!
そう思いながらトイレの鏡を見る。
「なにこれ?」
私は鏡に映る自分を見て驚愕した。
今までの自分とは違う。お世辞に可愛いとは言えない鏡の自分を見て涙が出た。

ショックだったが、きっと家の鏡と違うからだ。違うから可愛くないんだ。

早足に家へ帰る。

急ぎすぎてお母さんの「おかえり〜」に反応出来なかった。

鏡を見る。そこに映る自分は可愛くなかった。
「あっ…私は…可愛くないんだ」
今までの自信が全部無くなった。

それ以来、自分が"可愛くない"と思えば、思うほど鏡に映る自分は汚くなっていった。


夏休みに姉が女の子を連れてきた。
「なつ!覚えてる?私のこと…」
その子は、小学生の頃によく家に遊びに来ていた女の子。
お母さん同士が仲良かったとかで一緒に遊ぶことも多かった。
だけど、中学に上がるとき彼女は引っ越した。
「うん。覚えてるよ。久しぶり、ゆう。」
姉が私の背中を押すように言った。
「なつ。部屋で話してきな。」

「うん。行こ。」

ゆうが座って、私に聞いた。
「最近元気ないんだって?大丈夫?」
私は今までの事情を全部話した。
気づいたら涙が出ていた。

そんな私にゆうは「うん、うん。」と頷き、最後には抱きしめてくれた。

ゆうは、私の正面に座り直し言った。
「やってみる?自分磨き?」

「えっ?」
ゆうは中学で今の私と似た子を見たらしい。
自分に自身がない子。だけど、自分磨きをして自信を取り戻した。そして、元気で明るくなった。

「一緒にやろうよ!」
ゆうの顔は自信に満ち溢れていた。
「う、うん。」
どちらかというと圧に負けたという方が正しいかもしれない。

それから、筋トレ、健康的な食事、ランニング。
結果的には体重も減って、ゆうのポジティブ精神のおかげで明るくなった。

今では、あの鏡を見れば見るほど可愛くて、美しい自分がいる。


鏡は自分の気持ちが反映される。
ブサイクだと思えば、ブサイクに映る。
可愛いと思えば、可愛く映る。

それが鏡。

貴方の鏡に映るのは?

8/17/2023, 12:02:24 PM

『いつまでも捨てられないもの』
俺には彼女が居た。
可愛くて綺麗で、優しくて、良いところばっかりのあいつ。
だけど、半年前にこの家を出ていった。俺がいつも吸ってるタバコの話を聞いて。


「あれ?お前ってタバコ吸ってたっけ?」
ベランダでタバコを吸う彼女に俺は聞いた。
「うん。吸い始めたの。」

「そっか」

「はい。たっくんも吸う?」
彼女が俺にタバコを勧める。
「いや。こっち吸う。」
俺は自分のポケットからいつものタバコを取り出した。
「…。いつもそのタバコだね。変えたりしないの?」

「うん?まぁ、変える理由ないし。」

「じゃあ、私が変える理由作ってあげる!」
彼女は俺に向けて持っていた一本のタバコに火を付けた。
「彼女が吸ってる味と同じ味!はい!」

「あっごめん。言い方ミスった。」
「変えれないんだよね。」

「え?」
彼女が一本のタバコを見て言う。
「なんで?」
俺は深いため息と共に話し始めた。
「ゆいと約束したから。」

「ゆい?誰それ?」
彼女の顔が少し怖くなった気がした。
「元カノみたいな人。」

ゆい。そいつは大学でぼっちだった俺の初めての友達だった。
クールで猫っ気のあるゆいは俺には優しかった。
大学で一人ぼっちだった俺に声をかけて、色んな初めてを教えてくれた。
だけど、とある日を境に無視されるようになってしまった。
俺は無視される理由を考えたが、分からなかった。
大学の講義終わり、ゆいを半ば強引に引き止めて無視されている理由を聞いた。
ゆいは軽くため息を吐いて言った。
「違うんだよ。」
意味が分からなかった。ゆいが続けて言う。
「私は一緒に吸える人が好き。」

「え?」
予想外の言葉に思わず声が出た。だけど、ゆいは俺のことそっちのけで冷静に話し始めた。
「たくやは吸わないでしょ。たばこ。」
「この前一緒に吸ったとき、むせて大変だったでしょ。」
「だからだよ」
話し終えて帰ろうとするゆいの腕を引っ張って俺は言う。
「僕がたばこを吸える人だったら良かったの?」
ゆいは少し間をおいて言った。
「うん。同じ種類のね。」
俺は食い気味にゆいに聞いた。
「僕はどうしたらゆいの近くにいられる?」

「じゃあ私と同じ種類のたばこに吸い慣れたらね。」
「えっ?」
「あと、私好みの男になったら一緒にいてあげる。」
ゆいは俺の耳に口を近づけてゆいのいう"自分好みの男"の特徴を言って、帰っていった。

それ以来、ゆいから教わったものを活用して頑張ている。

「そっか」
彼女は手に持っていたたばこの火を消し、たばこの箱を机に置いて帰っていった。
「じゃあね。さよなら。」

彼女が帰ったあと、彼女が置いていったたばこの箱からたばこを一本取り出した。
「やっぱり無理だ。」
彼女が置いていったたばこの箱をゴミ箱に捨て、ベランダで一服する。
「やっぱり、いつまでも捨てられないな。はぁ」

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