星渡りの梟は
星の欠片を集めながら
夜を駆ける鳥
梟が集めた欠片は
何かを強く願う者の
手のひらに落ちて
望みを叶えるという
そんな伝説を昔
聞いたことがある
都会の明るい夜
何故だか星々が
はっきりと見える今夜
僕の手のひらに一つ
ひかりがゆっくりと
落ちてきた
顔をあげると
虹色を纏った梟が
僕を覗き込むように
電柱に留まっていた
連れて行ってくれるのかい
この地球の どこでもない
場所へ
梟は静かに飛び降り
ふわりと僕の肩へ
飛び移った
【夜空を超えて】
顔の表面に冷たい空気を感じながら、ゆっくりと重たい瞼を開ける。寝室はまだ暗く、未だ夜であると錯覚しそうになるが、すぐそばで充電をしているスマホを、ぼぅと片方で手に取り、画面を見る。画面の時刻は朝の五時を示していた。
毛布から出たくはないが、起きなければならない。しかし寒い。また眠るには時間はあるものの、二度寝は時として遅刻の原因になりかねない。たまには熱いコーヒーを淹れながらゆっくり支度をするか、とのそのそ布団から這い出る。冷えが一気に上半身、手足、そして全身へと広がっていく。裸足の足先は寒さに加えて痛みも伴ってきた。半ば駆け足で部屋の照明をつけ、隅に置いてあるヒーターを間髪入れずに電源を入れた。
部屋の空気が暖まるのを身体を縮こませて待ちながら、手足を小刻みに震わせる。
こういう時ばかりは、つい先日までの猛暑の日々が恋しくなる。あの唸るような暑さを、今この場へ持ってくれば、寒さと中和して温もりになってくれるだろう。そうすれば、暖房代が浮くのにな、と思わずにはいられない。ヒーターの電源が入り、ようやく起動し始めたのを確かめて、やかんに冷水を入れたのであった。
【ぬくもりの記憶】
指先が
痛いくらい冷たい
手袋は つけない
否 つけられない
冬空の下ですら
誰しもスマホを
手放せない
【凍える指先】
北の国
誰も足を踏み入れていない
銀世界へ
埋もれるくらいの雪をかき分けながら
視界に飛び込む白に目を細め
さらにさらに 前へと進む
あてのない旅は きっと
まだまだ続く
【雪原の先へ】
誰もかれもが
蒸気機関車になる
そんな 季節
寒風の中
学校か職場かに
向かって帰る
【白い吐息】