秋は好きだ。
夏ほど暑く無いし、春ほど虫も多く無い。
色を変える葉。
暗くなり始める空。
秋といえばオレンジ色。
俺はオレンジ色が大嫌いだ。
「もう見飽きたから早く沈めよ」
俺から愛する人を奪った炎の色だ。
思うことはただ一つ。
もう二度と、俺の前に現れるな。
2025.9.19.「秋色」
「_____よし」
キュッキュッと素早く靴紐を結び、立ち上がって息を吸う。
目を閉じながらゆっくり息を吐く。
拳を握る。
「あ、遅え! 」
「来楽」
名前を呼ばれた。
「……」
ゆっくりと、ゆっくりと振り返る。
何かが違っていればな、なんて淡い期待を抱きながら。
当然、何も変わっちゃいなかった。
そこにいたのは、君のためだけにある青空の下で、夏の向日葵みたいに笑っている君。
まるで絵画だ。言葉にできないほどの美しさ。
「……どうした?大丈夫……か?」
その絵画に見惚れてしまって、さっきまで笑っていた君は心配そうに眉を下げる。
駄目だよ。君は笑っていなくちゃいけないんだよ。
ほら。笑えよ。笑ってくれ、笑ってくれよ。
頼むよ。早く。
「……ううん、何でもない」
「じゃあ、いこう」
「おし!」
安心して無邪気に笑った君は、どうしようもなく無知で馬鹿だ。こんなクソみたいな言葉を並べないと正気を保てない。
私が言ったことと君が感じ取ったことは多分違うもの。
逝こう。
心中と言われたって仕方がない。けど、私の中から溢れ出る君との記憶よりかは、君が君の体温や声を残してくれないことの方が嫌だ。
だったら私は君と死ぬよ。
絵画に血を塗っていたのは結局私のせい。
でも最後に絵画の血を拭いたのは私。
今回も上手くいかない。失敗する。死ねない。君と一緒には。
そして君だけ、絵画から出られるんだ。
いつになったら、いつであれば、いつ、一緒に死ねるんだろ。
君はどうやったって死ぬ。生きていて欲しいのに。いつだって彼に味方なんぞ存在しなかった。
また、靴紐が解けた。
2025.9.18.「靴紐」
・ ・
「来楽」。「楽しいことはきっとやって来る」。
靴紐が解けない時はやって来るのか。
「まーだでーすかー」
「まだっつってんだろギャーギャー騒ぐな」
「じゃあいつになったら言ってくれるん?」
「……知らんがな」
「あ、照れた」
「見んな」
なあ、おい、目ぇ覚ませよ。
俺、まだ答えてないじゃん。
聞かずにいくのかよ。
最低だよ。最悪すぎる。なんで。
「なんで俺はいつも、大事な人が危ない時、そばにいないんだろう」
2025.9.16.「答えは、まだ」
狛犬やら蝶やらのおかげで報われない奴癖になりかけてる。
から語る。
以下鬼滅ネタバレ。
狛犬とラブスノーの話です。
とりあえず猗窩座が思う弱い奴が己だということに気づき感謝の匂いを出して自分殴る猗窩座が好きです。
止まって欲しい再生が全く止まる様子がないのがなんともね。多分あれ無惨さんが「(猗窩座〜……!!戻って来ぃやぁ……!!)」って体の内の細胞から囁いてんですよね(妄想)。悲しいね。かわいい。
そして「狛犬もうやめろ」と嫁に訴えられます。
回想シーン丁寧に描かれてて最高でした。
昔からやってきた看病。慣れすぎて嫌だと思ったことがない、もしくは当たり前のことだと思っている狛犬は、現代人への風刺画的な存在になれるのかもしれない。みんな嫌でしょ介護。でも狛犬は嫌な顔ひとつせずに(ラブスノーが泣いちゃった時は困惑顔でしたが)やってきた。
あのね、人として出来すぎてる。
自分より弱い誰かのために痛みに耐えられるのって本当すごい人です。
そんで親父さんが自殺。まあ、自分の子供が自分のためにずっと世話してくれて、挙げ句の果てにスリでお金集めてくれてるって申し訳なさすぎて消えたいよなあ。
自分がいなければ普通に遊んで普通に笑ってたかもしれない、って考えるだけで普通に消えたくなる。
そんでニンダイでは役割上ネタバレされまくりの中村悠一が出て来ます。相変わらず声がいい。60,70くらいのイケオジ役もイケると思うねん俺(誰やねんお前)。
明らかにクソジジイではないのにクソジジイって言う石田さん、さすがに30代ですって言われないと理解できない。いい意味で。
ほんで狛犬拾われます。
罪人狛犬とラブスノーが出会う時、初対面で「こいつ名前教えてくんねぇんだよ。聞き出しといて」って言ってばいちゃする中村悠一。それ今で言う「じゃああとはお若い二人で!」なんよ。最近奥さんに先立たれた奴の声のトーンじゃあ無え。
「今日行けなくても来年も再来年も花火は上がるから」発言。そしてラブスノー泣きます。
狛犬は困ります。困犬ってか。でもラブスノーに対して「めそめそ泣いてしまう」認識なのはお前が泣かせてんだよ狛犬ゥ!!
ずっとまともに自分で立ったりしたことないからこそ、「どんだけ生きられるかな」とか「今日で終わればいいのに(死がなのか病気がなのか)」って考えちゃうだろうに、狛犬は当たり前のようにラブスノー(自分)と見る花火の話をしてるのが本当に沼る。一生そんなこと言い合っとけ。写真撮るから。
寝巻きの交換で「寝巻きの交換!?」ってなった同士います?
なのにこの狛犬、18になって直接「好き」って言われなきゃ気付かなかったんですよ!?!?多分日常でもあり得ん程距離が近かったんでしょうね!!!!うーん鈍感!!!!!
ほんまこいつ!!!!!!
はい、うるさかったですね。
中村悠一が「ラブスノーも好きみたいだしさ」って言った瞬間に初めてぽっと顔赤くするんですよこの狛犬。映画だとラブスノーめちゃくちゃ赤くて可愛かった。狛犬はほんと、「……え……、」って感じで「マジで?」という嬉しさと「でも……」という、前科ゆえの「罪人の俺でいいのか」って躊躇いもある。それはそうと一瞬だけでも二人だけの世界に入ってくれてありがとうって感じ。尊い。
花火。
逆プロポーズされて涙ぐみながらしっかり手握って「一生守る」言うねん。親父さんの件があるから今度こそ絶対守るて誓うねん。んで嬉しすぎて親父さんに報告しに行くやろ?墓石抱きしめながら「今度は真っ当に生きる」て誓うやろ?
なんで毒殺なん???????
アニメーションだからこその狛犬の「嫌な予感」がマジで自然すぎて自分まで心臓ちぎれた。ぶわっと冷や汗が出るってこういうことなんだなと。
中村悠一までは「え」、ラブスノーで「は」、なんすよ。
親父さんフラッシュバックしちゃうって。
幸せやなあ思てたら師匠と好きぴ死んでるの絶対初見じゃ理解できない。というかしたくない。無理。
「大事な人がいなくなる時なんで俺はそばにいないのか」。
これ漫画のサブタイ役立たずの狛犬ってつけたワニ先生、人の心とかないんか?(褒め言葉です)
ほんでこれが後の無限列車編での炭治郎が叫んだ言葉が刺さっていくんですよね……。「誰も死なせなかった」って台詞が……。抉られる。良い。
一夜で67人殺害て笑笑笑
笑えねえよ……。
狛犬お前、いっつも報われねぇなぁ。守る拳があったはずなのに守れない。ゼェハァ狛犬良かった。こいつも人間なんやなって。ほんで自分の意思関係なく鬼にさせられて好きだった人も師匠のことも唯一の肉親だった人も忘れて強くなろうとケツイをみなぎらせるんだ……。猗窩座になってから猗窩座が考える「強くなる理由」ってなんだったんやろ。
狛犬は鬼界の主人公ってはっきりわかんだね。
そんでラブスノーに「もうやめて」って言われてやめます。
無惨さんそれ許しません。
で結果的に親父さん中村悠一ラブスノーに「おかえり」って言われて狛犬がラブスノーに抱きつきます。
炭治郎・義勇さん目線だと、抱きつきに行きながらそのまま塵になってて「ああ……綺麗な人(鬼)生だな」って。
狛犬謝ります。ごめん、守れなくてごめん、そうぼろぼろ泣きながら。それは違うぜ狛犬。一番謝るべき人間は毒を入れたお隣さんやぞ。とりあえずお前は謝るな。毒殺者以外誰も悪くなかったんや。なんなら守る以上の働きをしてたんだよお前。ラブスノーに生きる希望を与えてくれた男は誰じゃい。
お前だろ、狛犬。
そして地獄の業火だと思われたアレ。
無限列車編で煉獄さんが最期に使った型は「煉獄」。
煉獄、それは罪を許す炎。つまり彼らは地獄に行くとしても罪が軽くなったという察しがつく。
実際「罪人だとしてもそいつを想う人間が代わりに償うことを選ぶと罪人の罪が軽くなる」なんて言われてますし。そもそも狛犬の原動力は親父のため、師匠のため、ラブスノーのためなんで相当軽くしてくれないとね。割に合わない。
どらちも一途すぎるからなぁ。忠実で真面目。
あと絵がすごい。ずっとまつ毛バサバサでバサ座だった。
なっっが。
今日はバサ座との戦闘シーンの感想を綴る。
今の学生が使っている歴史の教科書にも載らないような、雪の結晶のように儚い出来事だった。
2025.9.15.「センチメンタル・ジャーニー」
漫画とかでよくある最初の一文みたいな。
鬼滅観てきた。
(以下ネタバレ。無理な奴は即刻次の話を読め)
序盤、無限城落ちるシーン、景色綺麗すぎて。そしておばみつ手繋いでましたね、好き。
成長した炭治郎と義勇さんはやっぱいいね、てちてち。
一番最初にしのぶさんと童磨。
ずっと怒ってる早見さんの演技えぐい。舌打ちありがとう。目の前に現れてくれた姉に会えたときにはすでに肺に血が入っててゴロゴロ言ってたと思うんですが、そんな状態で会ったらそりゃ弱気になるって決まってんの!!もう悲しいよ俺は!!しのぶさんカッコ良すぎるからやめて!!
童磨は終始サイコパス感があって良かったですね。正直教祖に向いてないけどめちゃくちゃ向いてると思います(矛盾)。ちゃんと安定した精神や心を持たなかった彼は「可哀想に」という謎の慈悲だけで動いているのです。助けるために。
あと意外と苦しむ声そんな感じなんだってなった。吐いてるみたいな。良いですね。
そして兄弟子vs.弟弟子。
あの、声が良すぎます(好)。とにかく声がいい。映画館だと声が耳めがけてすごい音量でドカーン!みたいな感じ、あるあるだと思うんですが(伝われ)、やっぱ下野さんの汚い高音の真逆の声、綺麗すぎる低音は良い。ほんで細谷さんすごい。めっちゃ獪岳。獪岳兄さんが獪岳兄さんって感じで良かったです(語彙無)。
てか善逸お前!!獪岳兄さんの件「別に許しては無いけど尊敬してる」からこそボコったの弟が過ぎるから!!スッゲェかわいい後輩になってるから!!
それを獪岳兄さんが知らずに「顔に泥を塗るな」みたいな態度だったからね、尊敬留まりだったんだよな?
声が良すぎてあんまり内容入ってこなかったけどこんな感じだった、ってことですよね??
「今日は月が綺麗ですね」
今日は月がよく見えるほど霞がなくて戦いやすい夜。
小鳥も花も、自然に咲いており、こんな日には鬼ごっこでもして遊びたい。
「無視ですか?」
「そんなんだから嫌われるんですよ」
無口で滅多に笑わない男は、いつも笑みを絶やさない女の隣をただひたすらに走っていた。少し時間をおいて、いつものポーカーフェイスでこう言う。
「俺は嫌われてない」
2025.9.14.「君と見上げる月…🌙」
今日いよいよ鬼滅映画観に行く。
多分富岡さんか猗窩座に沼るからマジで。マジで。