10/6/2025, 10:46:19 PM
はらりと落ちたその一枚を拾って、
少し眺めていたかと思うと、アイツはそれを俺の髪に刺してきた。
そして、
「お前、意外と赤も似合うじゃん」
と言って、真っ赤な瞳を細めてはにかんだ。
耳をくすぐってくる紅葉に触れながら、
(お前が一番、俺に似合う「赤」だけどな)
なんてことを思ったりもしたが、言うのはやめておいた。
【燃える葉】
10/5/2025, 10:29:48 PM
月光に照らされ、アイツの横顔が青白く浮かび上がる。
死人のような色に見えた。
しかしそれは、何よりも眩しく光っていて。
嗚呼、
こんなにも恐ろしさと美しさを兼ねたものが、他にあるだろうか。
【moonlight】
10/4/2025, 10:15:30 AM
「今日だけ許して」
真っ赤な顔で、震えた声を耳元に落とし、ゆるく腕を背に回された。
……………
ハグくらい、何回でもしてやるのに。
【今日だけ許して】
10/3/2025, 3:17:19 PM
「誰か」と呼び掛けても、それに応えてくれるのは「お前」がいい。
【誰か】
9/29/2025, 11:13:29 AM
白い肌。黒を基調とした服装。
そんな、彩度の低いお前だから、紫色をした瞳や角が、余計に目立って見えて。
何よりも、綺麗で。
お前という存在のアクセントみたいに強い印象を残す紫だけど、
ごつごつした角が、風になびいた長い髪の毛に隠れるたび、
潤んだ双眸が瞬いて揺れるたび、
その色さえもモノクロに呑まれてしまいそうで。
お前の紫をこの手で守りたい、なんて思ってしまう。
【モノクロ】