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7/8/2025, 2:26:10 PM

お前と一緒に見たものは全部綺麗だったから、
「あの日の景色をもう一度見よう」
って言われても、どの日の景色か分かんないんだよな。



【あの日の景色】

7/7/2025, 11:24:27 AM

願うだけじゃなんにもならない。
行動しなきゃ。


行動しなきゃ。

行動、しなきゃ。




行動…









つかれた。
もうつかれた。
しんどい。
苦しい。
何をしても、進歩してる気がしない。
希望がどんどん薄れていく。




ああ、でも、でも。
動かなきゃ。なにかしなきゃ。
アイツを生き返らせるために。
ほんの少しの希望にもすがりつかないと、おかしくなりそうで。

アイツのために。オレのために。
何かしなきゃ。行動しなきゃ。




…あー、
息がうまくできない。



【願い事】
______
またアイツと笑って生きていけますように。

7/5/2025, 3:07:30 PM

打ち寄せる波が、足を濡らす。
俺は構わずそこに立っていた。


「海、初めてだ」

誰にともなく呟く。
否、誰もいない。完全な独り言。




目をつぶった。
左右に広がる波の音が耳を覆いつくす。
こんなに心が落ち着いたことはないと思った。


打ち寄せる波。引き返す波。
足下の感覚で感じとりながら、しかしそれを見ることはせず、音だけを聞いていた。
…この音を小豆で表現した天才がいたらしいが、一体どこの誰なんだろう。




じゃぼ、じゃぼ、
目をつぶったまま、一歩ずつ、海の中に進んでいく。
ほとんど無意識だった。



だんだん、波の力が強くなっていく。
打ち寄せる波に押され、引き返す波に引っ張られた。
それでも構わず進んでいく。
目は、変わらずつぶったまま。
開けたら、怖くなりそうで。






ざばざば、ごぼごぼ、
よろけながら進む。
進んで、進んで、最期に、

引き返す波に従って、海に身体を沈めた。










【波音に耳を澄ませて】

7/3/2025, 11:33:17 AM

自分と相棒、二人しかいない電車の中。
心地よい音をたてながら揺れる車内。
流れる景色を見ながら、ぽつりと呟いた。

「このまんま、遠くに行けたらなあ」



「珍しいな、そんなこと言い出すなんて」
「なんとなく思ってさ」
「行きたいのか?遠くに」
「そうできたらいいな~とは思ってる。…このまま、誰も知らないところまで行ってさ、そこでお前と二人で暮らす」

ぽつり、ぽつり。
小雨のようなテンポで会話が続く。

「俺もついてく前提かよ」
「お前いなきゃ意味ねえよ」
「なんで」
「…もう嫌なんだ、お前が一人で遠くに行くの。どうせ遠くに行くなら、オレと一緒に行ってほしい。ずっと一緒がいい」
「………」
「お前一人だけ、いなくなんなよ。な?」

「…」
言葉がなくなった。
ガタンゴトン、心地よい音だけが響く。
互いに目を合わせることもなく、ただ景色を眺めていた。



景色から目を離さないまま、相棒が肩を寄せてくる。
景色から目を離さないまま、それを受け入れた。




「俺のこと好きすぎだろ」
「うん、世界一」





【遠くへ行きたい】

6/30/2025, 1:34:00 PM

アイツからしたら、うまく隠れているつもりなんだろう。
しかしあのカーテンは傍から見ればあまりに不自然だし、尻尾も丸見えだ。


ガキじゃねえんだから、と思いながら、気配を消して目の前のいたずらっ子にゆっくりと近づき、縮こまっている体をカーテンごと抱き締めた。




【カーテン】
______
捕獲されたときの第一声は「カーテンに喰われた!!」だったそうな。

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