湿った世界に光が射し込む。
アイツと一緒にいる口実がなくなってしまった、と、使い道の無くなった傘を見つめながら思った。



だから、新しい口実を作った。
虹を探しに行こう、と。



【雨上がり】

勝ち負けなんて気にしない、と言えるような人生を歩んでみたかった。



【勝ち負けなんて】

一歩進めば、そこに物語(みち)ができる。



【まだ続く物語】

必ず君のところへ戻ってくるよ。



そう言って君は翼を広げ、半年間の旅に出た。


【渡り鳥】

さらさらの君の髪が、
枕にさらさらと流れる。



そばにあるその髪に、
触れたい、と思ってしまって、
気づけば指を通していた。


すぐ我にかえって手を引く。
眠っている君を起こさないように、「ごめん」と呟く。
そうしたら眠っていたはずの君が口を開いて、
「嫌だったら、同じ布団に入る気なんてさらさらない」と言った。



【さらさら】

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このアプリで話を書き始めて、今日で2年です。
3年目もよろしくお願いします。