Open App
5/25/2025, 11:01:17 AM

土砂降りの、くぐもった雨音に家中が包まれるあの瞬間。
音と水が壁となり、自分を守ってくれているような気になれる、あの瞬間。

あの瞬間が、安らぎ。



【やさしい雨音】

5/24/2025, 11:10:40 AM

もういないあの子の美しい歌声が響き渡る夢を見るんだ。


【歌】

5/24/2025, 2:59:38 AM

人の体温で眠ることに慣れてしまったから、
今日もアイツに布団の代わりを求める。



【そっと包み込んで】

5/22/2025, 9:16:51 AM

「明日は絶対日の出と同時に起きてやる」
昨日、謎の決意をかまして床についた同居人は、太陽が昇りきった今も、ベッドですやすや眠っている。

自分は関係ないからいつ起きてもよかったが、寝過ごして文句を言われるのはこっちだから、それが面倒で、日の出近くの時間に起きられるようにアラームを設定してしまった。

お陰で眠いし、結局文句を言われることが確定してしまったし。朝から気分が沈んでいた。
いや、後者についてはこちらに責任はない。何度も起こしたのに起きなかったコイツが悪いんだから。



「…」
「日の出と同時に起きるんじゃなかったのかよ」

しばらくして、ようやく薄目を開けた同居人に、呆れを隠さず問う。

「んー……?ん~…」
寝ぼけた顔で、外を確認する。
「起こしてくれよ」の言葉を覚悟していたが、同居人はそのままぱたりと倒れこんだ。

「なんかもう、いいや」
「はあ?」
「もーちょっと寝る~…」
気まぐれが過ぎる。呆れが最高潮に達して舌打ちすら出そうになるのを、なんとかおさえる。


もともと意識がはっきりしていなかった同居人は、また目をつぶると、ものの3秒で寝息を立て始めた。

いつも起きているはずの時間にはまだ程遠いが、自分はすっかり目が冴えてしまっている。
仕方なく朝の支度でもしようかと思って立ち上がろうとしたら、手に何かが触れた。
同居人の手だった。
まるで「一緒に寝よう」と誘っているかのような温もりをもって、自分の手を握っていた。



「…はあ」
ため息をつく。
もうこっちも勝手にしよう。
そう決め、同居人の寝顔を眺めつつもう一眠りしようと、もう一度布団に入った。



【Sunrise】

5/20/2025, 2:57:04 PM

視界いっぱいの青空の中に、君はたたずんでいた。
ただ、遠くを見ながら、風に吹かれて立っていた。


その姿をずっと見ていたら、
溶ける、というか、透ける、というか。
そんな感覚を覚えた。

気づいたら、君がこの空に混じって、目の前から消えてしまうんじゃないかと。



そう感じた時にはすでに体が動いていて。
散らばった欠片をかき集めるかのように、君の後ろ姿を抱き締めていた。



「…どうしたの」
何の動揺もなさそうな声で、君が聞いてくる。
「いなくなりそうで」
「……安心して。何処に行ったって、帰るところはここしかないよ」
そう言って君は、こわばっていた僕の腕に、そっと手を重ねた。




【空に溶ける】

Next