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5/14/2025, 10:34:03 AM

生きていくうえで、なくてはならない。
手放したら死ぬ。いなくなったら死ぬ。
ずっと側にいるべき、一緒に生きるべき存在。


そういう意味をこめて、
「俺にとってお前は酸素みたいな存在だよ」
と言ったはずだけど、
お前は腹を立ててしまった。


言った後で気づいた。
この言葉、目に入らない、見向きもされない存在とか、ありふれて、個性のない存在って意味にも取れるよなって。




ごめん、俺が悪かった。
誤解招くようなこと言って。
これからはこんな回りくどいこと言わないから。
これからはちゃんと「大好き」って言うから。


【酸素】

5/14/2025, 9:11:37 AM

φ(..)


【記憶の海】

5/12/2025, 12:18:08 PM

うざったい絡みをしてくる。
所構わずでかい声で俺を呼ぶ。
寄り道をそそのかしてくる。
すぐ肩を組んでくる。
お前はそういうヤツだ。

何かあると一番に俺に電話を寄越すし、
会いたいからと、深夜に家に押し掛けてきたこともあった。


そんな、はた迷惑なヤツだけど、

人生を諦めかけてた俺を救ってくれたのも、
一度たりとも側を離れずにいてくれたのも、
心の温もりを、幸せを教えてくれたのも、
俺の存在を「幸せだ」と言ってくれたのも、
全部お前だった。
お前だけだった。


お前の言動が全部、俺への好意、愛情の表れなのは知ってる。
それに対して、なんだかんだ突き放せずにいる自分の心も、俺は知ってる。




だから俺は決めた。
そんなお前を、俺の『幸せ』を、一生かけて守ると。


【ただ君だけ】

5/9/2025, 10:34:17 AM

「何ですかこれは」
「夢です」
「これのどこが?真っ黒じゃない」
「ゆうべは夢を見てないので、こうするしかなくて」

「…………」
「……………」

「……そういうことじゃなくて」
「?」
「私が描くよう言ったのは将来の夢です」
「……ああ」
「新しいキャンバスはあるから、描きなおしてきなさい」
「いや、ちょうどいいのでこれを背景にして描き足します」



【夢を描け】

5/8/2025, 12:20:45 PM

精一杯の背伸びをする。
足の接地面積が一番小さくなるまで。

手を伸ばす。
少しでも上まで届くように。

声を漏らす。
限界まで伸ばした背に、もう少しだけ負荷をかけるように。


もう無理、と身体が言うまで、背伸びを続ける。
もう無理、と身体が言っても、仕事を終えるまで背伸びを続ける。


そうして、できる限りで綺麗にした黒板。
背伸びをやめると同時に、どっと疲れが押し寄せる。


そんな自分を見て、「かわいい」とはしゃぐ声もあり、「ぶりっ子」と陰口を言う声もあり。


好きでこうなってるわけじゃない。
飾っているわけでもない。
なのに勝手にやいやい言ってる周りが憎らしい。

まだ残ってるぞ、なんて小馬鹿にしながら軽々と一番上を消してみせる、背の高いアイツも憎らしい。

仕事返せ、と黒板消しを奪おうと格闘する。
アイツはすんなり自分に黒板消しを渡したと思ったら、自分を黒板の一番上に届くところまで抱き上げた。

クラス中が騒ぐ。



…あー、ホントに、憎らしい。

【届かない……】

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