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4/12/2025, 11:33:31 AM

風景に溶け込みすぎると、あるはずのものが見つからなくなることがある。
それを聞いて一番に頭に浮かんだのは、アイツの存在だった。


アイツとは、いつも、どこでも一緒だった。
アイツがいる風景が、オレの日常だった。


だから、不安になった。
アイツがこれ以上、オレの日常の風景に溶け込んでしまったら、いつかオレは、アイツを見つけられなくなるんじゃないかと。





それから。
アイツといるとき、オレはアイツの手を繋ぐようになった。

その存在を、ちゃんと判っていられるように。




【風景】

4/10/2025, 11:18:20 AM

現実のストレスが重なり、ヤケクソになって布団を被る夜。


【夢へ!】

4/8/2025, 11:55:24 AM

「なぜあなたは、ずっとそこにいるの?」
「約束したから」
「どんな約束?」
「またアイツと逢えるまで、ここで待つ約束」


「アイツ、が誰かはしらないけど、でももう何十年もここにいるってことは、まだ果たされてないんだ」
「ああ」
「諦めたいと思わないの?」
「何度も思ったよ、でも離れるわけにはいかない。
もし俺が去ったあとにアイツが来たら、アイツに針千本飲まされるから」
「ふーん」

「まあ、俺もアイツに針飲ませるつもりだけど」
「約束破ってないのに?」
「待たせすぎた罰」
「怖いねえ」



【遠い約束】

4/6/2025, 11:54:43 AM

この街に、新しい施設ができたらしい。
調べてみたらなかなか興味深かったので、スマホの地図アプリで場所を確認していると、

アイツがスマホの側面を両手ではさんできて、



「地ー図バーガー、なんつって」




「…」
「……なんか反応しろよ」
「かわいかった」
「…っそうじゃなくてさあ……」
「でも嫌じゃないだろ?」
「うん」


【新しい地図】

4/5/2025, 12:42:36 PM

「はいこれ」
「ん、ありがと。…この〔好き〕、ちっちゃいね。とりあえず受け止……待って、今までもらった中で一番重い…」
「ふふん、結構頑張ったんだよ?詰めるの」
「ホントだ…がっかりしてすみません…」
「見かけで判断しちゃだめだよ」
「そうね……じゃ、これお返しの〔好き〕」
「ありがと、…うおでっか…え、ねえちょっと、今までずっとこんなん抱えてたの?あげたのより重いじゃん」
「これは見かけで判断していいやつだよね」
「いんや、これも持つまでは中身の重さ分からないから」
「そっかあ」



【好きだよ】

______
〔好き〕という言葉の入れ物に、めいっぱいの気持ちを詰めて交換する二人。
量より質的な話。

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