風景に溶け込みすぎると、あるはずのものが見つからなくなることがある。
それを聞いて一番に頭に浮かんだのは、アイツの存在だった。
アイツとは、いつも、どこでも一緒だった。
アイツがいる風景が、オレの日常だった。
だから、不安になった。
アイツがこれ以上、オレの日常の風景に溶け込んでしまったら、いつかオレは、アイツを見つけられなくなるんじゃないかと。
それから。
アイツといるとき、オレはアイツの手を繋ぐようになった。
その存在を、ちゃんと判っていられるように。
【風景】
4/12/2025, 11:33:31 AM