不カン全なぼクと、ふ完ぜンな君がイっ緒にナったら。
完全二、なレるかな,
きっと、なれるよ。
きみは話せて、ぼくは自由に体を動かせる。
こんなにお互いの願いを叶えてくれる個体、そうそう出会えないでしょ?
…うン。そウダね.
オいで。一しョになロウ。
言語に欠損があるアンドロイドと、体に欠損があるアンドロイドが一緒になろうとする話。
【不完全な僕】
〔お題:今一番欲しいもの〕
【タイトル:キザ】
「なんか欲しいものある?」
唐突に友人が尋ねてくる。
「なんでや」
「臨時収入(お小遣い)入った。そんで今日は機嫌いいからなんか買ってやろうかと思って」
「あそう…」
少し考えて、そして思い付く。
「で?なんかある?」
前髪をかきあげて、キザっぽく言ってみる。
「…お前の、フッ…心かな」
「は?きも」
「おいおい冗談に決まってんだろ?そんなガチで引いた顔すんなって。マジだったらもうちょっとちゃんと言うわ」
「もうちょっと真面目に考えろよな…あとさ」
「ん?」
「次はもっとちゃんとしたの待ってるから」
「へいへい……………………………ん?」
「てか早く欲しいもん言えよ」
「あっ、あー………ジュース、おごって下さい」
…冗談の、つもりだったん…だ、けど、な…
でも、嫌な気はしない…のは、どうしてだろう。
個人的にこれが一番できがよくてこれ以上のが書けない…( ;∀;)
〔お題:私だけ〕
【タイトル:ちがう】
昼休み。友人と弁当を食べていたら、後ろのほうから騒がしい声が。
どうやら恋バナをしているらしい。
彼女がどうとか、アイツ可愛くねとか。
「毎日毎日よく飽きねえな」
「…え、毎日あんな話してたの?」
「おん、そうだけど?」
「ごめん全然気づかなかった。集中してて」
「あんな騒がしいのにまじかよ…食い意地張りすぎだろ、小食のくせに」
「…」
ちがうんだ。僕が集中してたのは食事じゃなくて、君との会話だよ。君のことを考えるのに集中してた。
ちがう。僕は周りとちがう。
女性には正直興味がなくて。恋はしてるけどその対象は目の前の君で。
昔から色々な場面で僕だけ周りと違ったり、ずれてると思うことがあった。それを面と向かって言われたこともあった。
あの時は必死に否定していたけど、君に出会ってからそれが事実だということを嫌でも突きつけられたんだ。
君を恨んだりはしないよ。ただ自分が情けないだけ。
「ごめんね」
「何が?」
「…いや、何でも」
この気持ちはいつかちゃんと諦めるから。
でも、卒業するまでは、好きでいさせてね。
〔お題:七夕〕
【タイトル:叶わない願い事】
七夕。はるか空の彼方で、織姫と彦星が会えるただ1つの日。
そんな七夕に願い事をかくと、それが叶うというが、私はあまり信じていない。
だって、「あの人が帰って来ますように」という願いは、何年経っても叶わないのだから。
それでも必ず七夕にそれをいっそう強く願ってしまうのは、信じていないことを陰に否定したいからなのだろうか。
〔お題:世界の終わりに君と〕
【タイトル:君の側で】
世界の終わり、か。
気にしたことはないよ。
だって、世界どころか、自分の人生だっていつ終わるか分からないんだから。
まあもし終わるなら、どんな状況であれ、君がそばにいてくれればそれでいいかな。
何でって?
好きだから。
つい、思い出してしまった。
あなたがこんなこと聞いてくるから。
「…どうして、僕と付き合ってくれたの?」
緩くなっていた手を握り直して答えた。
「…あんな告白されて、好きにならないわけないでしょ、バカ」
「そっか、ありがとう」
彼が優しい笑顔を浮かべる。
「…言い出しっぺはあなたなんだから、私たちの世界が終わるまで、絶対離れないでよね」
「ご安心を、終わったとしても離れたりしないので」
「ふふ、何よそれ…」
そうね、絶対離れたりしない。例え世界が終わろうとも。
私の、最愛の人。