〔お題:誰にも言えない秘密〕
【タイトル:ボクの秘密】
え?ボクに秘密があるのかって??
もうないよ。
お前らに全部バラされたから。
あ、でもあとひとつだけあった。それはね…
ヒミツダヨ。
_____________
↓もう一本書こう…
誰にも言えない秘密?
それを話してどうなるの?
隠してるから秘密なんであって、話したら秘密じゃなくなるじゃん。
だから話せないよ。
ハイ、この話はおしまい。
最後のセリフ、語り手と筆者のどっちのセリフなんでしょうかね、、書いてて思った…
〔お題:失恋〕
【タイトル:好きの意味】
昔から、よく僕に「好き」と言ってくれた幼なじみの彼。
あまりに僕にばかり「好き」を言ってくるので、僕は彼のことを好きになってしまった。
けれど、それは解釈違いだったみたいだ。
この間の放課後、忘れ物を取りに教室に行った時、こんな会話が聞こえた。
「お前ってさ、ホントにアイツのこと好きだよな~」
「なんだよ突然…なんか悪いかよ」
「いんや、そろそろ告ったりしねえのかなって」
「そ、そんなんじゃねえし!弟みたいで好きってだけだし!!」
「ホントか~ぁ??」
僕にとっては誰よりも大切な存在だったのに、彼にとっての僕は自分の弟と同等の存在だったんだ。それを自覚したときの急に心がしぼんだような感覚を鮮明に覚えている。
人生で、初めての失恋。
「こんなに、くるしいんだ…」
でも考えて考えて、やっと吹っ切れた気がした。
告白するだけして、すっぱり諦めてしまおう。
だから今日、放課後の屋上に彼を呼び出した。
「…どした?話って」
「うん…率直に言わせてもらうけど、僕、君のことが好きだったんだ」
「…え、俺?」
「うん…でも、君はそうじゃないみたいだから諦めようとおもって。弟みたいなんでしょ?僕」
「っ、それは…」
困ったように顔が歪む彼に未だ胸を痛めながら心を鬼にして言葉を続ける。
「…僕ね、君も僕のこと好きなんだとおもってたんだ。好きって、言ってくれてたから。でもそれは弟みたいな存在としての『好き』だったんだよね」
「…ちが」
「勘違いしちゃってごめんね。これからもいい友達でいよう」
泣きそうになる顔をうつむかせて、彼の横を通りすぎる。
これでいいんだ。元に戻ろう。そう言い聞かせて。
「勘違いじゃねえよ…」
屋上の扉を出るとき、彼が何か言った気がしたけど、気にする余裕なんてなかった。
ハピエンまっしぐらの勘違い失恋
彼は今まで必死にアプローチしてましたがね
弟っていうのは単にばれたくなくて誤魔化してただけ(けどバレてる)
焦った彼が「僕」くんを呼び出して大告白するまで、あと少し。
〔お題:正直〕
正直に言おう。僕は君が世界で一番大好きだった。
その風にとける透き通った髪も、僕のことを見つめる赤い目も、柔らかく微笑むその顔、唇、全部全部。
誰がなんと言おうと、君がどんな姿になろうと、僕は君のことが誰よりも大切だったんだ。
君に勇気を出して告白したあの日。
僕は君を最後まで守ると決めた。
君の命が短いこともしらずに。
でも遠慮がちに君が「よろしくお願いします」と言ってくれたのを鮮明に覚えている。
その約束を、守れないことが分かるのが遅すぎたんだ。
僕は、最後の最後まで、君を愛してた。今だってそうだよ。
本当は「好き」だけじゃ足りなかった。言葉に表せない愛を全部君に伝えたかった。
だからさ…
「戻ってきてよ…」
『君』が入った骨壺を抱き締めながら、僕は今日も涙を流す。
〔お題:天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、〕
【タイトル:逃避行】
「あのさ、俺たち」
「今日いい天気だね」
「……………」
俺とお前。今までずっと一緒だった。
「これで何回目だよ、お前。そーゆーのほんとやめろ」
「なんのこと?」
「そーやって話遮って来るとこだよ」
お前言ってたじゃん。ずっと一緒だよって。
それ、一生お互いが一番ってことだと思ってたんだ。なのにお前は、お前の心はだんだん俺から離れていって。
だから今日、こうして呼び出した。
のに。
「遮ってないけど?」
「嘘いってんじゃねえよ俺が大事なこと言おうとしてる時に天気の話ばっかり…!」
「だって空ってついつい見ちゃうでしょ」
「俺の話より天気のほうが大事なのかよ!!」
こうしてお前が遮るせいでまた先延ばしになる。
お前のせいだ、全部。
らしくない話をしようとするのも、らしくないくらい純粋な気持ちを抱いたのも、全部。
「分かったよ、で何?話って」
「いいか一回しか言わないぞよく聞け」
「いいから早く話して」
「分かったよ…」
これ以上離れるなんて、絶対許さねえからな。
寂しくて死にそうだから。
「俺、お前と逃げたい。誰もしらねえどっか遠いとこに」
「…ははっ、何それ告白?ふふっ…」
「わ、笑ってんじゃねえ!!こっちは真剣なんだ!!!」
「分かってるよ、ふふ…っ」
「お前なぁ…!!」
「で、何で逃げたいの?僕と」
「っそれは…なんかだんだんお前が俺から離れてってるって感じるから、寂しいと言うか、もやもやすると言うか…」
「つまり好きってこと?」
「ち・が・う!!」
「ははっ、誤魔化さないでもいいのに…まあ何でもいいや。逃げるのはいいよ。でもさ…」
「?」
「その前に、ちゃんと僕のこと好きになってね」
「………は?」
そういって去っていったアイツ。
目に焼き付いたアイツの少し照れたような笑顔。
顔に熱が集まってくる。
アイツも、同じ気持ちだったのか。
気づけば、体が動いていた。
二人きりで逃げだすまで、あと少し。
〔お題:半袖〕
【タイトル:夏の恋人】
眩しい青空。じりじりと皮膚を焼く日差し。
蝉の鳴き声に包まれて、何回めかのデートの帰り道を、言いたいことも言い出せず、僕はただ歩いていた。
僕の前を歩くのは、僕の恋人。
サラサラの髪をなびかせて、静かに歩いている。
もうすぐ恋人の家につく。
今日別れたらしばらく会えないんだ、いわないと。
そう思っても、気持ちばかりが先走って、言葉が出てこない。
あと、十何メートル。
恋人が振り返る。
「…じゃあ、ここで。デート、楽しかったよ」
「う、ん」
言葉がつっかかる。言いたいのに、言わなきゃいけないのに。
「またね、バイバイ」
恋人が顔を背けて歩きだす。
今しかない。
「っ待って」
恋人の短い袖から出る、うっすらと汗のにじむ白い腕をつかんだ。彼が振り返る。
僕の全身からも、緊張と暑さで汗が吹き出てきた。
「あの…別れ際にこんなこと言うのあれだけど、えっと…い、いつからでもいいんだけど…
…いつか僕と、一緒に暮らしませんか…?」
僕たちの間に風が吹き抜ける。
「…ふふっ、……はい」
あのときの彼の美しい笑顔を、僕は忘れない。