宗梦江那

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4/2/2026, 2:28:10 PM

「大切なものを絵に書きましょう。期限は3週間後です。皆さん、課題はしっかり提出してくださいね。成績に関わりますから」

選択科目である美術の時間では、課題が渡された。大切なものと言われても、特に浮かばない。強いて言うなら本のカバーぐらいだろうか。
「ね、秀。何にする?」
横から声が聞こえた。出たなジャジャ馬娘。相変わらず耳がキンキンするほどうるさい。

「本のカバーにするつもりだが」
「本のカバー!盲点!」
休み時間でテンションが上がっているのか、僕の周りをぐるぐる回っている。やかましいぞ。

「そういうお前は何にするんだ?」
「私?私はね〜…クマの人形とか?ほら、秀がクレンゲームで取ってくれたあれ!」
茶色くて無駄にふわふわしてるクマのぬいぐるみ。あれのことか。というかまだ持っていたのか。

「ぬいぐるみか。無難でいいな」
「ふふん。私なりにちゃんと考えたからね。」
「珍しいな。明日は槍が降ってくるんじゃないか?」
「酷!?」
そんなこんなで休み時間が終わった。授業中、ずっと考えていた。大切なもの、とは。
茶色の髪に目は黒色の、うるさくて耳がキンキンする声を持ってる…

ぼん、と顔が赤くなった。
「大丈夫か?顔が赤いぞ。熱か?」
と心配されたがこれは違う。自発的に、無意識的に出たものだ。矛盾しているがな
僕が考えている間、授業は容赦なく進んでいく。後に必死でノートを書くことになったのはまた別の話だが。

お題『大切なもの』

4/1/2026, 2:57:24 PM

「ばぁ!ふふ、おはよ」

そんな声が頭上から聞こえてくる。朝からなんだよ。

「おはよ。朝からうるさい」
「そんなことないって〜」

のんびりした口調に少々腹が立つ。が、深呼吸をした。諦めたのか、それを受け止めてしまっているが。まぁ耳がキンキンしたのは確かだけど。

「ね、今日何の日だと思う?」
「さぁな」

いつものように突っぱねる。今日は何でもかんでも嘘が許される日だと妹から聞いた。何でもかんでもな訳ないだろ。と灸を据えたが。

「じゃじゃーん!エイプリルフールでーす!」
「知ってる」
「なんだよ〜もっとオーバーリアクションして貰わないとー」
「僕に求めるなって言ってるだろ」

相変わらずだ、こいつは。というか、まだ8時だぞ?どこからそんな元気が湧いてくるんだ。至近距離で目線を合わせてくる辺り、暇なんだろう。いや、幼なじみだからと言ってこの距離は風紀違反だろう。

「近い。離れろ」
「やだー」

意味がわからない。手元の小説が見えないんだが。
時刻は8時。残り数十分でホームルームが始まる。
さっさと座らないのかこのジャジャ馬娘。

「ね、エイプリルフールって午前中しか効果ないんだって!」
「知ってる」
「え〜?つまんな〜い」

残念そうにため息を着く。暇なのか?こいつは。まぁいい。無視すればいいだろう

「私さ〜秀のそういう所、意外と嫌いだよぉー冷たいもん」

もん、とはなんだ。というか、話し始めたかと思えばなんだ?人の悪口大会じゃないか。眉がぴく、と反応したが、視線を隠すように本を立てた。

「…嫌いだもん。そういう所含めて。本当に嫌い!」
なんなんだ。本当に。というか、嫌いならさっきの距離感ないだろ。まさか、エイプリルフールだからか?つまり…あぁ、そういう事か。
「…」

彼女の耳が赤かった。朝日と同じぐらい。

「…下手くそだな。」

ふっと笑う。エイプリルフールだからって何でもかんでも言っていい訳ないだろ。こんな不器用だとは思いもしなかったぞ。そういう所含めて嫌いだ。

お題『エイプリルフール』