「ばぁ!ふふ、おはよ」
そんな声が頭上から聞こえてくる。朝からなんだよ。
「おはよ。朝からうるさい」
「そんなことないって〜」
のんびりした口調に少々腹が立つ。が、深呼吸をした。諦めたのか、それを受け止めてしまっているが。まぁ耳がキンキンしたのは確かだけど。
「ね、今日何の日だと思う?」
「さぁな」
いつものように突っぱねる。今日は何でもかんでも嘘が許される日だと妹から聞いた。何でもかんでもな訳ないだろ。と灸を据えたが。
「じゃじゃーん!エイプリルフールでーす!」
「知ってる」
「なんだよ〜もっとオーバーリアクションして貰わないとー」
「僕に求めるなって言ってるだろ」
相変わらずだ、こいつは。というか、まだ8時だぞ?どこからそんな元気が湧いてくるんだ。至近距離で目線を合わせてくる辺り、暇なんだろう。いや、幼なじみだからと言ってこの距離は風紀違反だろう。
「近い。離れろ」
「やだー」
意味がわからない。手元の小説が見えないんだが。
時刻は8時。残り数十分でホームルームが始まる。
さっさと座らないのかこのジャジャ馬娘。
「ね、エイプリルフールって午前中しか効果ないんだって!」
「知ってる」
「え〜?つまんな〜い」
残念そうにため息を着く。暇なのか?こいつは。まぁいい。無視すればいいだろう
「私さ〜秀のそういう所、意外と嫌いだよぉー冷たいもん」
もん、とはなんだ。というか、話し始めたかと思えばなんだ?人の悪口大会じゃないか。眉がぴく、と反応したが、視線を隠すように本を立てた。
「…嫌いだもん。そういう所含めて。本当に嫌い!」
なんなんだ。本当に。というか、嫌いならさっきの距離感ないだろ。まさか、エイプリルフールだからか?つまり…あぁ、そういう事か。
「…」
彼女の耳が赤かった。朝日と同じぐらい。
「…下手くそだな。」
ふっと笑う。エイプリルフールだからって何でもかんでも言っていい訳ないだろ。こんな不器用だとは思いもしなかったぞ。そういう所含めて嫌いだ。
お題『エイプリルフール』
4/1/2026, 2:57:24 PM