入道雲…
私が小学生の頃、夏休みに
ひとり一研究という課題が出ていた。
ある年の夏、私は雲の研究をした。
研究というほど大層なものではない。
窓から見える雲を毎日スケッチし、コメントをつけた。
猫の頭の形だとか、だんごみたいだとか。
延々と毎日雲を描いた。
入道雲とは積乱雲で、この雲の下では天候が急に変わる。
そんなこと研究するでもなく、休み明けにスケッチブックを
提出したような、しなかったような…
今の小学生は一研究は任意らしい。
地域にもよるのかな?
息子の一研究は、ほぼ父ちゃんがやっていた。
父ちゃんの一研究は婆ちゃんがしたとかで。
なんだか夏休みは大人も忙しい。
夏…
忘れられない旅がある。
佐渡に行きたいと言ったら
行こうということになった。
今日。
え?今日?
うん。
私の夫はそういう人だった。
車に乗って直江津に着いた。
駐車場に車を停めて
フェリーの時間を確認しに乗船場に行ったら、
あと数分で出航時間だった。
文字通り、私たちは船に飛び乗った。
車もおやつも何も持たず、カバンひとつで。
佐渡の海は、とてもとても美しかった。
あんな旅はもう二度とできまい。
ここではないどこか…
男は、一歩家を出たら戦場
とか、言うんだけど
女は、家の中にも戦場あるんよ。
釣った魚にエサをやらないと…
知らんからね。
ここではないどこかにあなたは行きたがる ここが楽園だとも知らずに
君と最後に会った日…
舅さまと最後に会ったのを強烈に覚えている。
正確に言うと、最期を看取った日だ。
夜中零時をまわった頃だった。
ベッドに眠っていた義父が目を覚まし、
静かにありがとうと言った。
その後ゆっくり目を閉じて喉元がかすかに動くのを見た。
閉じた目から涙がこめかみへ伝った。
永遠の別れなのだと感じた。
生きているときとても苦労をした人だから
苦しくなくて逝けたのだと思いたい。
自分が逝くときに、もしも誰かがそばに居てくれたなら
私もありがとうと言うつもりだ。
そういう人生になれるといいなあ…
繊細な花…
薔薇と書いて「そうび」と読む
美しく繊細なイメージだ。
昔からある呼び方だそうだが、私は谷村さんの歌の歌詞で知った。
薔薇をRoseと呼べば繊細というより可憐なイメージか
呼び方って不思議だ。