question…
私はどこから来て…どこへ行くんだろう……?
そうそう、そういえば今日、ひとつ歌が生まれた。
少しの間休んでいたけれど、また作ろうか?
いや、あれは作ろうとしても作れない。
自然に生まれるのを待つだけ…。
では今日生まれた歌を書こう…
法を説く釈迦の右手のかたちして医療廃棄の手ぶくろ青し
あの日の温もり……
五年程前、一緒に仕事した女の子がいた。
彼女は学生時代に手話サークルで活動していて
彼女の手はとても雄弁だった。
私も手話を話せるようになりたくなった。
図書館に通い、本を探して少しずつ覚えた。
まずは五十音から。
五十音を覚えたところで
覚えたことを彼女に打ちあけた。
彼女はとても喜んで
五十音を私とコラボしてくれた。
そして最後にひとつの言葉を教えてくれた。
「ありがとう」
左腕を胸の前に出して右手の手刀でトンとする仕草…
これが「ありがとう」だと。
その後、彼女は職場を去った。
彼女と離れて、私の手話は五十音から足踏み状態になり
最近では五十音も怪しくなってしまった。
けれど、
あの日の「ありがとう」はずっと頭の隅にあった。
なんとかして「ありがとう」を使える人になりたかった。
そう、普通に手話でありがとうを使いたかった。
まずは練習をした。
自然に使うためには、手が言葉を覚える必要があった。
頭で考えていては遅いのだ。
…なかなかチャンスは訪れず数年が過ぎた。
しかし、それは突然やってきた。
数日前のことだ。
車を運転中、一時停止で止まった私に、
優先道路上のダンプの運転手が道を譲ってくれた。
頭を下げながら、私の手が「ありがとう」と言ったのだ。
ああ、言えたんだ!
相手に伝わったかどうかはわからない。
でも、私の手は確かに言えた。
私はひとり、にまにまとしながら
一歩踏み出せたことを喜び
あの日の彼女に感謝をした。
一輪の花……
私の実家の隣に
私より少し年上のお兄さんが住んでいた。
これは二十年ほど前の話だ。
ある日、母が洗濯物を干していた。
塀越しにお兄さんが花の世話をしていた。
お兄さんは一人暮らしだった。
玄関に、大きなカメを置いてメダカを育て
庭は花でいっぱいだった。
「綺麗ですね。」と母が花をほめると、
「たくさん増えましたから好きなだけ持っていってください。」
と、お兄さんは言ったそうだ。
母は遠慮しながら、その白い花を一輪だけ貰った。
その三日後
お兄さんの家に警察が入って行くのが見えた。
自殺だった。
メダカは引き取られて行った。
母は、当時お兄さんの異変に気づけなかったことを
とても悔やんでいた。
しかし、母に普段と同じように接し
悟らせないようにしたのは
お兄さんの気遣いだったのだろうと私は思う。
お兄さんの家は、今は空き家だ。
月に一度、お嫁に行ったお姉さんが管理をしに来る。
今でも春になると、庭には花が咲き乱れ
あの時くれた白い花も、元気に咲くという。
ひそかな想い…
私の職場で、私を手伝う人は居ない。
ところが
昨日の職場で、なぜだか複数の人が私を手伝った。
誕生日…なんて知るわけないのに
神様のプレゼントかな?
本当に仕事が山積みでキツかった。
ありがとう。すごく助かった。
心の中で、とてもとても感謝していた。
ところが今日、問題が発生した。
昨日複数の人が手伝ってくれた仕事に
小さなミスが見つかった。
私は上司に呼ばれ、吊るし上げられた。
複数の人が手伝った仕事。
誰のミスかなんてわからない。
私は急いで昨日の全ての仕事の確認をした。
今日は一人だ。
指摘された以外のミスは見つからなかった。
ミスって、たまたま大騒ぎする人が見つけると
大ごとになるよね。
いや、心の声さ。
私は昨日手伝ってくれた人に
心から感謝したし、今もそれは変わらない。
人間は間違える生き物だ。
小さな間違いをなぜ黙って直せないのか。
辛いとき手を貸してくれた人がいた。
自分も忙しいのに黙ってやってくれた。
見て見ぬふりした人が
小さな間違いを見つけて大騒ぎする。
鬼の首でも取ったみたいに。
そんな今日のひとりごと。
ただ……
私が最後にもう一度確認すれば防げたのかな。
反省しながら…
あなたは誰…
誰も皆、日々アップデートする。
私は、誰かがやっていて良いと感じたらマネをする。
誰かがやっていて良いと感じるのが「インプット」
自分でやってみるのが「アウトプット」
コンピューターも人間も、思考の構造は似ていると思う。
インプットとアウトプットを繰り返し
昨日の私より、今日の私は少しだけ成長していく。
残酷な失敗や、かっこ悪い間違いもする。
でもいい。
「失敗は成功のもと」
親からの言葉で一番好きな言葉だ。
2月19日……今日、誕生日です。
おめでとう、私。