「透明な羽根」
この背中の透明な羽根は、私の心の持ち様によって、純白になったり、漆黒になったりする。
でも、純白だけが正しい訳ではなく、場合によっては漆黒が正義の時もある。
キチンと自分の目で状況を見極めて、自分の心の物差しで何が最善か、何が正しいかを判断して。
多数に呑まれたり、権力におもねったり、くだらない忖度をしたり、そんな事は絶対にせずに。
自分の心の中の道徳に、正義に従って、私は天使にも悪魔にもなる。
「灯火をかこんで」
心の中に灯火がある。
私の心を温かくしてくれる、優しい人の言葉とか、優しい人のしてくれた事とか。
その灯火を囲む様に、私の行動基準や、生きる為の「芯」みたいな物がある。
人を温かくさせられる様な人になりたい。
人の心に、灯火を灯せる様な人になりたい。
私の心に灯火を灯してくれた人の様に、なりたい。
そう思って、いつも生きて行きたい。
時には後ろ向きになったり、嫌な自分が顔を出したりする時もあるけど。
でも、灯火を灯せる自分である様に、努力は忘れずに生きて行きたいと思う。
「冬支度」
街はそろそろ冬支度に入っている。
植物も、動物も、葉を散らせたり、毛を生え変わらせたり。
厳しい自然の中で生き残れる様に、寒い冬を乗り越える準備をしている。
そして、私も、何だか無駄に栄養を蓄えてしまった気が……
こんな冬支度はいらない……😭
「時を止めて」
誰か、時を止めて。
お願いだから、ほんの少しでもいいから。
あの瞬間に、時を止めて。
そうすれば、あの人は生きていたのに。
少しのタイミングの違いで、事故に遭わなくて済んだのに。
何度悔やんだか。
あの時、声をかけてあの人を引き止めていれば。
あの時、もう一言話して居れば、あの時あの場所には居なかった筈なのに。
どれだけ悔やんだか。
だから、お願いだから。
誰でもいいから、ほんの少しでいいから、時を止めて。
お願いだから。
「キンモクセイ」
金木犀の香りが街に漂う頃になると、貴方の事を思い出す。
貴方と歩いた道。
笑い合った街角。
2人で頬を寄せて嗅いだ金木犀の木。
バカみたいに些細な事で笑って、はしゃいで。
毎日がただただ幸せだった。
あの木も今はもうなくなって、街並みもあの頃とはすっかり変わってしまった。
私と貴方の関係も終わって、今はもう貴方がどうしてるのか、生きているのかもわからない。
でも、毎年何処からか金木犀の香りが漂う季節になると、必ず貴方の事を思い出す。
打算も妥協もなく、ただ純粋に貴方に恋をしていた自分を思い出す。
そして、出来るならもう一度あの頃に、と願う自分を見つけてしまう。
叶わない願いと分かっていても、もう一度あそこからやり直せたら、と夢想する自分を見つけてしまう。
それは、甘酸っぱくて、切なくて。
でも、これ以上ない位輝いていた私の、大切な想い。
きっと、一生忘れる事のない、大切な想いだから。