「行かないでと、願ったのに」
なのに、貴方は行ってしまった。
もう、私の声は貴方には届かない。
貴方の声も、2度と聞くことは出来ない。
どれだけ腕を伸ばしても、指先すら貴方に触れる事は出来ない。
どれだけ願っても、もう貴方に逢う事は出来ない。
何度も願ったのに。
「行かないで」「逝かないで」「神様、私からこの人を取り上げないで!!」
でも、その願いは神様には聞き入れられずに。
そして、今日も又貴方の居ない1日が始まる……
「秘密の標本」
秘密の標本ではないけれど、初めて葉脈標本を見た時に、そのキレイさに感動して、それを作りたいが為に化学(科学?)部に入った。
そして、ほぼ幽霊部員だったけど、葉脈標本を作ると聞いて、その日は部活に行って、葉脈標本を作った。
沢山出来ると、最初見た時の感動は薄れて、そんなにキレイとか思わないかな?とも思ったけど、出来上がった葉脈標本は、やっぱり感動的な位にキレイだと思った。
あの時に作った葉脈標本は今でも持っている。
秘密でも何でないけど、懐かしい、思い出。
「凍える朝」
いつまでこの暑さが続くんだろう?と思っていたら、少し過ごし易くなった。
そして、そう思った途端に、あっと言う間に寒くなった。
日本には四季がある筈なのに、秋は一体何処に行った?
そう愚痴りつつ、いつの間にか冬を迎えた。
外には今年初めての雪がチラついている。
もう、朝ベッドを出たくない……
そう思いつつ、何とかサボりたがる身体をベッドから引き剥がす。
寒いよぅ、凍えるよぅ。
朝のニュースを見ながら、何とか身支度をする。
ニュースでは、近所で起きた殺人事件の報道をしている。
怖い……心理的不安が更に室温を何度か下げた気がする。
本当に怖いよ。
上手く隠したと思っていたのに。
バレないと思ってたのに。
何で見つかったんだろう?
恐怖が深々と押し寄せ、私の心を凍らせる。
心も身体も凍えた私は、この先一体どうすればいいんだろう?
「光と影」
光のある所には、必ず影が出来る。
喜び溢れる笑顔の傍らに、悲しみに暮れる涙がある。
でも、逆に言えば。
影のある所には、必ず光がある。
悲しみの裏には笑顔がある。
影から見える位置に、必ず光がある。
光のない影はないのだから、もし今影の中に居ても、いつかは光を掴めるから。
だから、嘆くだけの日々はやめて、光に向かって歩き出そう。
「そして、」
この先どうするの?
一歩を踏み出すの?
右へ進む?左へ進む?真っ直ぐ?
ここに留まるの?
それとも、いっその事戻ってしまう?
いつも、人生の岐路では迷ってしまう。
でも、苦しんで、悩んで、考え抜いて。
そうやって出した答えは、きっと正しい。
もし、間違っていたとしても、そうやって決めた道筋にある物は、いつか必ず自分の糧になる。
大事な事は、何を決めたかよりも、決めた事をどう実現するか。
その為に、自分がどれだけ頑張ったか。
悩んで、決めて、そして、歩んで。
その先で、きっと何かを掴めるから。