「君と飛び立つ」
君と2人なら、きっと何処までも行ける気がする。
ここから一歩踏み出して、この地を飛び立って。
きっと、今まで見たことの無い景色を見て、聞いたことのない言葉や音楽を聞いて、食べたことのない物を食べて。
きっと、全てが初めてで新鮮で。
このまま此処に居たら、味わう事が出来ない、知る事が出来ない事を知って、経験出来ると思う。
だから、僕と一緒に飛び立とうよ。
この崖の縁から。
そして、新しい世界に行こうよ。
2人っきりでずっと過ごせる世界だよ?
誰にも邪魔される事ないんだよ?
だから、行こうよ。
飛ぼうよ。
ねぇ?なんでそんなに引きつった表情をしてるの?
この先は夢の世界だよ?
ねぇ、行こうよ。
「きっと忘れない」
貴方の笑顔も、声も、仕草も。
全てが私の中に残っている。
貴方の残滓が、私の中から消えない。
きっと、ずっと忘れない。
この先誰かを好きなったとしても。
いつかは誰かと結婚をして、子供が産まれたとしても。
どんなに幸せになって、満たされたとしても。
何一つ後悔する人生ではないとしても。
それでも、貴方を忘れる事はないだろう。
きっと、一番愛した人だから。
これからも、この先も。
貴方と同じ位愛せる人は現れるかもしれないけど、貴方を超えて愛せる人はきっと居ない。
きっと、ずっと、忘れない。
きっと、ずっと、愛してる。
「なぜ泣くの?と聞かれたから」
泣く時の理由って沢山ある。
悲しくて、寂しくて、辛くて、痛くて、嬉しくて、感動して。
色んな理由があると思う。
でも、きっと今の涙は幸せな涙。
無事に産まれてきてくれて有難う。
ママの所に来てくれて有難う。
何故か解らないけど涙が出てくる。
でも、今の私は、きっと幸せだから泣いてる。
「足音」
どこからか足音が聞こえる。
私は息を潜めてやり過ごす。
此処に居る事、気付かれなかったよね?
気づかずに通り過ぎたよね?
最近ずっと誰かの視線を感じていた。
試す様な、品定めする様な、嫌な視線。
じっとりと、湿気を含んだ、嫌な視線。
さっきもその視線を感じて、なるべく私が気づいた事に気付かれない様に注意しながら、何とか撒いて此処に帰ってきた。
誰なの?
どうしてなの?
怖い。
不安だけが募る。
外の気配に耳をすます。
さっきの足音は遠ざかったまま。
きっと私に気付かずに去って行ったのだろう。
私のこの隠れ家までは知られてないのかもしれない。
このまま見つからなければ、いつまでも此処に隠れていてもいいのだけど、でも私にも生活があるからそんな訳にもいかない。
ただ怯えながら、日々を過ごすしかない。
でも、私は一人じゃないから、一緒に乗り越えよう?
貴方もそうでしょう?
私と居れば、怖い事なんてないよ?
だから、そんな怯えた目で私を見ないでよ。
「終わらない夏」
夏が終わる。
でも、この大量に残っている宿題を思うと、夏と言うか夏休みが終わらないで居て欲しいと思う……
毎年の事なのに、なぜ学習しないのか、私……