「君の名前を呼んだ日」
あの日初めて、君を目の前にして君の名前を呼んだ。
生まれる前から名前を決めてたから、お腹の中に居る時から沢山名前を呼んで、沢山話しかけてた。
そして、初めて君の顔を見ながら、君の手に触れて、君の体温を感じながら、君の名前を呼んだ。
当たり前だけど、君はただ泣くだけで、でも、それでも世界で一番可愛いと、愛しいと思えた。
あれからも何度も君の名前を呼び、きっとこれからも数え切れない位、君の名前を呼ぶだろう。
その時その時によって、込められる感情は違うけど、でも、気持ちの底に流れる、込められた思いはいつも同じ。
君が可愛くて、愛しくて、大切で、幸せになって欲しい。
生まれてきてくれて有難う。
ママに出来る精一杯で、君を慈しんで、愛して、大切にするから。
だから君は幸せになって。
それだけを、ただ願う。
「やさしい雨音」
貴方の居ない世界を思い、泣き叫ぶ。
貴方の居ないこの世界なんて、私にとっては何の意味もない。
悲しみなのか、怒りなのか、切なさなのか、喪失感なのか。
何なのかは分からない感情に衝き動かされ、慟哭する。
明日から、どうやって生きていけばいいのだろう?
何もわからない。
どうすればいいのかも分からない。
そんな私を、雨が優しく包み込む。
泣き声も、泣き顔も、全てを雨音で、雨粒で、隠してくれる。
いっそ私の全てを覆い隠してくれればいいのに。
悲しみも、辛さも、その他の何だか分からないこのこの衝動も。
全てを包み隠してくれればいいのに。
優しい雨音に、必要以上の期待をかけながら、ただたた、私は、泣き続けるしか出来ない。
優しい雨に覆い隠されながら、ただ泣き続ける。
「歌」
歌って、ホントに凄いと思う。
誰かの想いが言葉になり、メロディになり。
そして、誰かの心の琴線に触れて。
時には過去の痛みを思い出して、心を抉る時もあるかもしれない。
古傷が疼く時もあるかもしれない。
でも、それ以上に、今の自分に共感されて力づけられる時がある。
懐かしい日々を思い出して、微笑ましい気持ちになる時がある。
痛みに寄り添ってくれる時もある。
思い切り泣きたい時に、泣かせてくれる時がある。
そして、迷っている時に背中を押してくれる事がある。
誰かの想いが誰かの力になり、誰かの痛みが誰かを癒す。
歌だけじゃなく、本も映画も。
人が人に何かを伝えるって、ホントに凄い事だと思うし、素晴らしい事だと思う。
そして、私には出来ない事だから、そうやって歌を作れる、歌える、伝えれる人って、ホントに凄いな、って思う。
※ちなみに最近の私のお気に入りはMaverick Mom (メイブリック マム)です。クセになります。オススメです。
「そっと包みこんで」
君のちっちゃな手を、そっと包み込む。
壊れ物みたいで、恐る恐る触る。
フワフワでモフモフで。
君の白い毛に覆われて、ピンクの肉球がついてる手は、とっても細くて、儚げで、ちょっと力を入れるとポキっ、て折れそうで。
可愛くて仕方なくて、目一杯抱きしめたいけど、こわくてそっと抱きしめた。
その子が何年も経つと。
まぁ暴れん坊になり。
人が寝ている顔の上を平気で横切って行くし。
初めて猫の肉球を味わったよ。
我儘も言うし、マイペースだし、気分屋だし。
でも、それでも可愛くて、愛しくて、大事で。
ずっと君と居られたら良かったけど、生き物には必ず寿命がある。
そして、悲しいけど人間の方が寿命は長いから、君は私を置いていった。
いつか、私がそっちに行く時は迎えに来てね。
又あの時みたいに、そっと、でもギュッと抱きしめるから。
いっぱいの愛情で君を包むから。
「昨日と違う私」
昨日までの私は、貴方が世界の全てだった。
貴方の言う事が正しくて、貴方の機嫌が正義で、貴方の気持だけが大切だった。
でも、今日からの私は違う。
貴方の言う事でも間違ってれば「間違ってる!!」って言うし、何なら論破もする。
貴方の機嫌なんかどうでもいい。
正しいか正しくないか、私が気分良く過ごせるかが重要。
貴方の顔色なんて見ない。
貴方はそんな私に戸惑って、狼狽えて。
そんな貴方を見て私はほくそ笑む。
何で今まで我慢してたんだろう?
お互いに気分良く時間を過ごせるように、って考えて、喧嘩にならない様に、波風を立てない様にしてた。
私が大人になって、聞き流したり鷹揚に構えてれば丸く治まるんだから、って自分に言い聞かせて、自分の気持ちを誤魔化してた。
でも、今日からの私は違う。
もう理不尽な我慢はしないし、言いたい言葉も飲み込まない。
それで別れても構わない。
むしろ、大歓迎。
いつまでも黙ってる女だと思うなよ。
貴方は、そこまで女が我慢してくれる程、いい男じゃないんだよ?
そこのとこよ~く理解して、次の言葉を選んでね。
間違いは即終わりだからね。