「そっと包みこんで」
君のちっちゃな手を、そっと包み込む。
壊れ物みたいで、恐る恐る触る。
フワフワでモフモフで。
君の白い毛に覆われて、ピンクの肉球がついてる手は、とっても細くて、儚げで、ちょっと力を入れるとポキっ、て折れそうで。
可愛くて仕方なくて、目一杯抱きしめたいけど、こわくてそっと抱きしめた。
その子が何年も経つと。
まぁ暴れん坊になり。
人が寝ている顔の上を平気で横切って行くし。
初めて猫の肉球を味わったよ。
我儘も言うし、マイペースだし、気分屋だし。
でも、それでも可愛くて、愛しくて、大事で。
ずっと君と居られたら良かったけど、生き物には必ず寿命がある。
そして、悲しいけど人間の方が寿命は長いから、君は私を置いていった。
いつか、私がそっちに行く時は迎えに来てね。
又あの時みたいに、そっと、でもギュッと抱きしめるから。
いっぱいの愛情で君を包むから。
5/23/2025, 11:52:12 AM